研究課題/領域番号 |
25862126
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
小島 さやか 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 助手 (40599263)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 男性看護師 / ワーク・ライフ・バランス / 子育て |
研究実績の概要 |
本研究は、男性看護師の仕事と生活の現状を調査し「働き方」「暮らし方」の実態を知ることで、看護職のワーク・ライフ・バランス(WLB)実現をめざしている。さらに男性の子育てへの関わり推進や男性が育児休業が取得できる環境づくりへの方策を探るものである。
2年目となる26年度には以下の課題を遂行した。■課題1:前年度に引き続き看護職のWLBや男性の育児観等に関する先行研究の分析を行い、分析モデルの精緻化を図った。■課題2:分析モデルに依拠した質問紙を作成し実査を行った。調査概要は次の通り。調査期間:2014年8月-10月。調査対象:A市内の全ての病院に依頼、同意が得られた33施設の全ての男性看護師に調査票を配布。配布数537、回収数447(回収率83.2%)、有効回答数440(回収数の98.4%)。有子者(0~12歳の子を持つ者)は35%(154人)。■課題3:調査票から得られたデータの分析を行った。主な結果は次の通り。 (1)男性看護師の育児休業取得率は8.4%であり、取得時期は2010年以降の直近5年間に集中していた。(2)育児休業を取得していない者の半数以上が育休の取得を希望していたが、断念する要因は多い順に①職場の環境や雰囲気②経済的理由③仕事が忙しい④周囲からの反対⑤制度を知らなかった、であった。(3)男性看護師のWLB満足度を高める要因は、職場環境(職場風土、勤務時間)ならびに生活環境(個人の生活時間の確保、配偶者との関係)にあった。■課題4:質問紙調査で得られた知見を基に、男性の子育て推進に必要な支援を明らかにするため、質的調査(0~12歳の子を持つ男性看護師へのインタビュー)を行った。27年度に詳細な分析を行う。■課題5:看護職が自らのWLBを考えることの重要性及び育児休業取得に対して理解を深められるよう活動を行った。調査対象全員に所属施設を通して調査結果を配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた課題内容とスケジュール通りに進んでいる。 26年度は第1次調査(質問紙調査)を実施し、さらに第2次調査(インタビュー)の実施、分析を進めている。特に質問紙調査では対象人数を当初の計画よりも拡大し、地域における全数調査を行ったことで、より詳細なデータを得ることが出来た。さらに、当初27年度に予定していた男性看護師を対象としたワーク・ライフ・バランス推進の啓蒙活動にも着手することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、当初の予定どおりに研究を進める。 最終年度となる27年度には、質問紙調査およびインタビュー結果の分析を基に、男性の育児休暇取得推進、育児参加推進を目的とした「イクメンナース」パンフレットを作成予定である。 年度の前半に調査データの精査・分析と考察を行い、年度の後半に研究全体のまとめ、パンフレットおよび報告書作成を行う。 パンフレット作成にあたっては、以下の3点に焦点をすえる。 (1)男性看護師のWLBの実際およびWLB満足度を高める要因についての分析を紹介。(2)男性看護師の育児休業取得希望と現状の紹介。(3)WLBの実現、また育児休業が取得しやすい環境づくりのために行えることを職場環境及び家庭環境の側面から紹介。これらにより、彼ら自身が自らのWLBについて考え、行動できるような働きかけを行うことに主眼を置く。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおよそ使用計画の予定通りに使用している。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の予定通りの使用を考えている。
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