研究課題/領域番号 |
25862137
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 水絵 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (20582571)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 婦人科がん / 術後 / フォローアップ |
研究実績の概要 |
本研究は、婦人科がん術後患者の回復過程において、身体・心理・社会的障壁を改善し生活への再適応を促進する看護支援を検討することを目的に、フォローアップ相談の開発及び効果検証を計画した。 H26年度はH25年度の文献検討の結果を基にフォローアップ相談のプレテスト及び、本調査である介入調査を計画した。 しかしながら、H26年度に所属機関を異動したため、新たなフィールド開拓すべく予定していた研究計画が進捗せず該当年度のエフォートは減少した。 このような状況のなか26年度は、前年度の結果を元にさらなる詳細な文献検討を行った。がん術後患者のフォローアップに関する文献について、1995年以降に国内で発表された婦人科がんを含む全てのがん領域の論文を対象とした。結果、多くの文献で患者は病状、予後、副作用に関する不安や悩みを抱き、身内での相談・対処が多く、医療者として看護師の活用が少ない現状が明らかとなった。また心理側面に関するフォローアップではソーシャルサポートの活用についての提言、相談窓口の設置に関するニーズなど、システム構築の必要性が示唆されていた。結論として、がん領域における回復過程の看護支援は病状、予後など医療的側面だけでなく、心理面への支援、生活支援、サポート体制の形成に向けた支援など、多岐にわたることが推察され、医療資源を最大限に活用した体制づくりの必要性が示唆された。これらの結果を平成27年2月末に行われた、日本がん看護学会で学会にて発表した。また、この結果から、フォローアップの時期と内容について検討の必要もあると考え、次年度に追加調査をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の区分になった理由として、所属機関の異動により教育に関する業務、地域貢献に関する業務が新たに加わったことにより、エフォート率を変更せざるを得なくなり、研究を計画通りに遂行することが出来なかった。 しかしながら、新たな所属場所でのフィールドを確保することができ、且つ協力体制も得ることができた。27年度は計画内容を一部変更(詳細は後述)するものの実施する。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度は、フォローアップの時期と内容についての追加調査を行うとともに、H25~26年度の文献検討の結果を基にプレテスト及び、本調査である介入調査を行う。プレテストでは、検討したフォローアップ相談案の妥当性を確認するために、婦人科がん術後患者10名程度を対象に面接調査などを実施する予定である。その後、本調査にてフォローアップ相談による効果の実態調査を行い、初発婦人科がん術後補助療法を行う患者約100名を対象に、退院直後のベースライン調査の実施、介入群、対照群に分類し、介入群へのフォローアップ相談をおこない、その後、ベースライン調査後の実態調査を行う計画である。そして、調査にて得られた結果をまとめ、学会にて成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
H26年度に所属機関を異動による研究フィールド開拓等により、当初の研究計画内容の施行が遂行できなかった。そのため使用した費用は、26年度の実施成果を報告するための学会発表に関する費用等の支出となった。
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次年度使用額の使用計画 |
26年度の予算計画を27年度に移行する。
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