研究課題
研究期間中に、認知症患者を除く外来通院中の糖尿病患者約700名に低血糖レコーディング及び認知機能検査であるMini-Mental State Examination (MMSE) を実施するとともに、追跡可能なデータベースの構築を行った。①軽症低血糖の有無及び頻度と認知機能低下との関連を検討:MMSE実施前の3か月間に軽症低血糖があった者は33.3%であった。過去3か月間の低血糖の有無別の認知機能低下者の割合は、軽症低血糖があった者で23.8%、軽症低血糖がなかった者で16.7%であった(p=0.531)。過去3か月間の軽症低血糖の頻度別の軽度認知機能低下者の割合は、過去3か月間に低血糖がなかった者で16.7%、1回あった者で21.2%、2-3回あった者で28.6%、4回以上あった者で20.0%であった(p=0.890)。本研究において、軽症低血糖の有無及び頻度と認知機能低下との関連は認められなかった。②MMSE検査と3か月間の低血糖レコーディングを実施し、データベースの構築を行う:666名にMMSEを実施した。そのうち軽度認知機能低下者は146名(21.9%)であった。3か月間の低血糖レコーディングの結果、3か月間に低血糖があった者は80名(26.1%)であった。3か月間の軽症低血糖の頻度別の人数は、3か月に1回の軽症低血糖を起こした者は26名(8.3%)、2-3回の者は25名(8.2%)、4回以上の者は29名(9.5%)であった。③認知機能低下に関連する生活習慣の検討:糖尿病患者の認知機能低下に関連する生活習慣について検討した。その結果、喫煙、特に累積量の多い喫煙は認知機能障害のリスクを高めることが示唆された。最終年度は、糖尿病患者における喫煙と認知機能低下との関連について英文による論文投稿を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件)
Diabetology International
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