研究課題/領域番号 |
25862148
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金岡 麻希 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50507796)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体肝移植 / 術後フォローアップ |
研究概要 |
これまでの調査で生体肝移植ドナーの多くが術後1年以上経過後も創部や消化器系などの不快感やダメージを受けていることが明らかになっている。さらにドナーは術後に身体症状を訴えても不定愁訴のようにあつかわれたりした経験の報告もある。生体肝移植ドナーは元々健康な人であるが、自らの肝臓の一部を身内であるレシピエントに提供するために肝葉切除という侵襲を受けており、術後のフォローアップは不可欠である。しかし生体肝移植ドナーの術後フォローアップは施設によりまちまちである。そこで本研究は、生体肝移植ドナーが術後も長期に渡って安心して生活できるためのよりよいフォローアップシステムの構築を目的に多施設のフォローアップシステムの調査を行った。 当該年度は、現状のフォローアップに関する情報収集を主に行った。文献を用いた情報収集では、生体肝移植も含めて、生体臓器移植ドナーのフォローアップに関するものは非常に限られていた。そこで、肝移植実施施設のホームページ検索等で、情報検索を行った。複数の施設において、通常退院後1ヶ月、その後術後3ヶ月、6ヶ月、1年を目途とした受診を勧めていた。さらに1施設ではあるが、参加観察による詳細な情報収集を行った。その施設においても、上記と同等の頻度での受診を勧めていた。そして1年以降は年に1度の定期健診を勧めるが、多くのドナーはその後職場等の定期健診を受けるため、術後1年以降の受診率は下がっていた。術後数年が経過しても定期的に受診をするドナーは、無職の場合が多く、レシピエントの受診に同行し、ドナー自身も受診するという形態をとっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1施設を対象とした詳細な調査を行うことができた。その結果、外来でのフォローアップ体制は施設における移植外科の部署構成、人員配置等が大きく関与していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は多施設調査ではあるが、先に述べたように、外来でのフォローアップ体制は施設における移植外科の部署構成、人員配置等が大きく関与しているため、アンケート調査ではなく、計画通り、複数施設における参加観察を次年度行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入予定のアンケート用紙の追加納品日が年度を越えたため、その分の2,031円が次年度の支払いとなった。 追加納品か完納後、迅速に支払い手続きを行う。その他は予定通りの執行とする。
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