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2013 年度 実施状況報告書

糖尿病進行度における客観的指標を用いた足病変リスク予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25862155
研究種目

若手研究(B)

研究機関神奈川県立保健福祉大学

研究代表者

大場 美穂  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (20451768)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード透析患者 / 糖尿病足病変
研究概要

サーモグラフィ、ABI(足首/上腕血圧比)、TBI(足趾/上腕血圧比)、皮膚潅流圧測定器等を用いて客観的に炎症所見や血流を評価し、糖尿病の有無や重症度による違いを明らかにすることが本研究の目的である。
調査項目は、対象者の特性、胼胝、鶏眼、亀裂等の肉眼的所見、神経障害、炎症所見、皮膚の乾燥、足部血流等であった。神経障害は、5.07モノフィラメント検査による知覚障害の有無、内踝に音叉をあてて測定した振動覚異常の有無、アキレス腱反射から評価した運動神経障害の有無、心電図(ABI/TBI測定装置に付属)によるCV値から評価した、自律神経障害の有無から評価した。炎症所見は、対象者の疼痛・熱感の訴え、験者による発赤・腫脹の評価等主観的な評価と、サーモグラフィにて足底全体および胼胝、鶏眼、亀裂等の部位を撮影し、評価する客観的な評価から判断した。皮膚の乾燥についてはモイスチャーチェッカーを用いて角質水分量を測定した。足部血流については、ABI(足首/上腕血圧比)、TBI(足趾/上腕血圧比)、PWV(脈派伝播速度)、皮膚潅流圧の測定を行い評価した。
結果の一部を示す。透析を行っている患者のうち、糖尿病の有無で評価をしたところ、モノフィラメントによる知覚、振動覚には差が見られなかったが、アキレス腱反射が低下または消失している者の割合は、糖尿病がある患者の方が糖尿病がない患者と比較して有意に大きかった。ABIが0.9以下の者の割合は糖尿病の有無による差が見られなかったのに対し、TBIが0.6以下の者の割合は糖尿病がある患者の方が糖尿病がない患者と比較して有意に大きかった。サーモグラフィー上、足先の温度の著明な低下がみられる者が多い印象であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度末には研究成果の一部を2演題、学会発表することができ、そのうち一つは優秀演題に選んでいただくなど、成果を得ることはできたが、研究協力者である研究施設のスタッフ数名の退職により、やや遅れが生じている。また、健常者と透析を行っていない糖尿病者のデータは人数を増やす必要がある。そのため、今回の業績概要には含めていない。

今後の研究の推進方策

今後は、透析を行っている患者、糖尿病患者、健常者のデータを増やしつつ、追跡調査(縦断研究)を行う。平成25年度に横断研究を行った対象者を定期的に観察し、足病変のリスクを評価する。測定項目等は昨年度と同様とする。また、今年度も研究成果を学会発表する。本年度は国際学会の発表も目指す。

次年度の研究費の使用計画

研究に不可欠な機器レーザー血流量計(170万円)を購入したが、予算より5万円安かったこと、人件費・謝金を13万円計上していたが、本年度は施設内の協力を得られたため人件費・謝金が発生しなかったことから、次年度使用額が生じた。
さらに研究を進め、研究成果を国内学会だけでなく初年度の計画にはなかったが、国際学会に発表できればと考えている。したがって、昨年度の残金は発表のための経費としたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 糖尿病罹患の有無による透析患者の足の実態比較.2014

    • 著者名/発表者名
      大場美穂, 夏目仁美, 木村好隆, 大江真琴, 雨宮歩, 山田案美加, 金澤寿樹, 西見紋子, 白井清美, 阿部真理, 山中朱美, 真田弘美.
    • 学会等名
      第12回日本フットケア学会年次学術集会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      20140307-20140308
  • [学会発表] サーモグラフィを用いた患者教育において炎症所見が改善された一例.2014

    • 著者名/発表者名
      木村好隆, 大場美穂, 夏目仁美, 阿部真理, 白井清美, 西見紋子, 山田案美加, 雨宮歩, 金澤寿樹, 大江真琴, 真田弘美, 山中朱美.
    • 学会等名
      第12回日本フットケア学会年次学術集会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      20140307-20140308

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公開日: 2015-05-28  

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