研究課題/領域番号 |
25862160
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
岡山 加奈 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20549117)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 便秘 / 腸内細菌叢 / RomeIII |
研究概要 |
Quality of lifeを評価するための健康指標として「排便」は常に注目されている。本研究は、便秘症状を有する成人を対象として、その腸内細菌の正常化により、ヒトが本来備えている力を活かすことにより円滑な便通の実現に至ることを目指している。 国際的指標である機能性便秘の診断基準RomeIIIを用い、便秘症状を有する成人の現状を明らかにするにあたり、所属施設における倫理委員会の承認を得た。その後、大学生および教職員189名に調査票を配布し、76名から回収した(回収率40.2%)。回答が不完全であった1名を除外し、女性70名、男性5名の合計75名を対象とした。機能性便秘の有症率は9.3%(7名)で、すべて女性であることが明らかとなった。同時に、糞便採取や輸送方法、腸内細菌叢の培養条件、16S rRNA遺伝子配列を利用した菌の相同性検索方法を検討した。また、Bristol stool scaleを用いて機能性便秘有症者1名の便性状を調査するとともに身長、体重および排便状況を継続的に調査し、腸内細菌叢の解析に向け、提供試料は適切に保存した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究目的を達成するため、平成25年度は成人の排便状況の明確化、平成25~26年度は便秘症状を有する成人において培養での検出が可能な腸内細菌叢の解析を計画していた。目標対象数への排便状況の調査より、機能性便秘有症率が明らかとなった。糞便採取や輸送方法、腸内細菌の培養条件、菌種同定方法の検討を行い、腸内細菌叢の解析に向け提供試料を適切に保存し、必要な機器類も予定通りに整え、概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
機能性便秘有症者の試料を提供いただくためにも、機能性便秘の診断基準であるRomeIIIに基づき排便状況を継続的に調査し、機能性便秘有症者の腸内細菌叢の解析および善玉菌の好生育環境の解析に繋げていく。平成26年度は、これまでの知見を基に提供試料中の腸内細菌を同定し、便秘症状を有する対象の細菌叢の分布を解析する。糞便試料と同様に細菌を適切に保存し、平成27年度はこれらの保存した細菌を用いて、善玉菌の好生育環境を検討する予定である。
|