研究実績の概要 |
本研究では、人が本来備えている力により円滑な便通の実現に至ることを目指している。これまで便秘症状を有する成人1名の腸内細菌叢を継続的に解析しており、平成27年度は同対象者の1日の飲水量も調査した。対象者の1日の飲水量は、平均1,000mlであったため、飲水量を1,500ml/日以上とする介入を1週間行い、その間の糞便を採取し解析を行った。今年度は高速シーケンス解析を行い、詳細な菌叢解析も行った。飲水量を増加することにより、腸内細菌叢の構成に変化が見られ、Verrucomicrobia門の比率が低くなり、Actinobacteria門の比率が高くなった。便の水分量に変化は見られなかったが、排便回数、排便量は増加し、Bristol stool scaleも改善した。排便時の症状について比較すると、怒責する、腹痛・腹満感があるとの2つの訴えに減少し、肛門の閉塞感が改善されていた。
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