前立腺がん患者は、治療後の排尿障害、性機能障害が起こり生活の質そのものが変化し、患者の抱える負担感は大きい。しかしながら、患者の多くは、排尿や性の問題を抱えながらも専門家に相談するという行動である「援助要請行動」ができないといわれている。このような問題を抱えながらも専門家に相談できない現状を「サービスギャップ」と精神保健分野ではいう。本研究においては、前立腺がんにおけるサービスギャップを解明し、その関連要因を明らかにすることで、前立腺がん患者の心理的な援助の一助に寄与することを目的に研究に取り組んだ。今回最終目的としていた、関連要因の検証までは、いたらなかったが、前立腺がん患者のサービスギャップについては解明ができ、それに対応した支援の在り方について示唆された研究結果となった。
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