肢体不自由児の性教育レディネスの育成‐ライフスキルの習得へのアクションリサーチ‐

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25862186
• 研究機関: 大阪医科大学
• 研究代表者: 曽我 浩美 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (40614045)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 肢体不自由 / ライフスキル / 教育的介入

研究実績の概要

前年度までと同様、アクションリサーチの手法に基づき、『養育者との会議』および『ライフスキル講座』から成る一連の教育的介入プロセスを実施した。
昨年の講座では、自分の意見をまとめる力、自分の意見を相手に伝える力、グループで協力してひとつのものを創り上げる力、などのスキルの習得を目的に、ディスカッションやロールプレイを行ってきた。今年はさらにステップアップし、より個の力が必要となる1対1の状況で、相手との意見交換からひとつのものを創り上げることを目指し、ロールプレイを行った。テーマは『親友への悩み相談』とし、相手から悩みの相談を受けた時に、どのような対応を行うことが適切であるのかについて、シナリオの展開・結論も全て各ペアで相談しながら考え、実演まで行った。本講座を通して、子どもには思考力、意思決定力、言語的コミュニケーション力、創造力、協調性などのスキルの成長がみられていた。
しかし、本講座が子どものライフスキルの成長にどのような影響を与えているのかについては不明瞭であり、適切な評価をすることが困難である。ゆえに、本研究で企画した遊びや勉強会などの集団活動に継続的に参加してきた障がい児においては、思春期にどのようなライフスキル上の問題が生じやすく、それをどのように習得してきたか、またどのようなことがその習得に影響を与えたのかについて、子どもと直接関わってきたボランティアや障がい児の母親に面接調査を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究実施計画に従い、ライフスキル講座を実施している。しかし、当初の計画のままでは、これまで実施してきた教育的介入が対象児にとってどのような影響を与えるものであったのかを適切に評価することが困難であった。
したがって、研究計画を見直し、自助グループによる集団活動に継続参加している障がい児が思春期に生じやすいライフスキルの問題とその習得に関する調査研究として所属機関の倫理審査委員会の承認を受けている段階である。

今後の研究の推進方策

ライフスキル講座で子どもに直接継続的に関わってきたボランティアと障がい児の母親を対象に面接調査を行う。調査内容は、「思春期に生じやすいライフスキルの問題は何であるのか」「どのように習得してきたのか」「習得に影響を与えた要因は何であるのか」などとし、30分～60分程度で面接を行う。その結果を質的記述的に分析し、ライフスキルの習得を目的とした遊びや勉強会を継続してきた子どもが思春期にどのようなライフスキルの課題を抱え、それをどのように乗り越え解決し、ライフスキルを習得してきたかを明らかにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

研究成果がまとまらず、学会発表まで至らなかったことにより繰越額が生じた。

次年度使用額の使用計画

研究計画を修正し、面接調査を行う予定であるため、調査に伴う旅費や謝金が必要となる。また、学会参加を行う予定である。