研究課題/領域番号 |
25862191
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
松浦 志保 島根大学, 医学部, 助教 (60405123)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 親準備性 / ハイリスク妊婦とその夫 / 胎児への愛着 / 夫婦の関係性 / 親になる意識 / 親になるイメージ / 親になる自覚 |
研究実績の概要 |
妊娠期は妊婦と夫にとって親になることをイメージし、具体的に準備をする大切な時期であるが、正常な経過をたどる初妊婦とその夫(以下正常経過群)とハイリスクな状態にある初妊婦とその夫(以下ハイリスク群)において違いや特徴があるのかは、明らかにされてはいない。 そこで、正常経過をたどる妊婦と夫に行われている支援プラスアルファの発想ではなく、長期入院を余儀なくされるようなハイリスクな状態にある妊婦と夫が、共に親として高め合える支援のあり方を検討するための前段階として、正常経過群とハイリスク群の親準備性の違いや特徴を明らかにすることを目的に、正常経過群50組、ハイリスク群50組を対象に夫婦の関係性、胎児への愛着、親になる意識、親になる自覚、親になるイメージなどを問う質問紙調査を行った。 質問紙は196名に配布し58名の回答が得られた(回収率29.6%)。妊婦のみ回答があった8名を除き、正常経過群16組(32名)、ハイリスク群9組(18名)を分析対象とした。 その結果、妊娠期にハイリスクな状態に置かれ入院を余儀なくされることは、夫婦の関係性や胎児への愛着におよぼす影響は低いが、親になる意識や親になるイメージには何らかの影響をおよぼしていることが考えられた。親になる具体的な準備を行う大切な時期に行動が制限され、親になるイメージが阻害されることは、出産後の親役割や夫婦の関係性のギャップに戸惑う要因ともなり得ることが示唆された。 よって、今後は行動制限されることや親になるイメージが阻害されることの具体的影響をハイリスク群を対象に質的研究を行った後、夫婦間で親になるイメージを膨らませることのできる介入を検討していく必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ハイリスク群の対象者の確保が困難であったため、当初の研究期間を延長せざるを得なかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ハイリスク群の妊婦とその夫を10組程度を対象に質的な研究を行い、既にデータを取り終えた量的研究の結果と合わせ対象のニーズに合った看護介入を検討し、その後ハイリスク群の妊婦と夫に実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠出産に伴う休業により、研究活動を一時中断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
休業終了後、本来その期間に行う予定であったデータ収集およびその分析と成果の発表を行うことに使用する。
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