本研究では、長期入院を強いられるハイリスク妊婦とその夫の親準備性に着目し、妊娠期に必要となる介入プログラムの開発を目的とした。 最終年度では、介入プログラムを作成するための次なるステップとして、ハイリスク妊婦とその夫の親になる意識、親になる自覚、親になるイメージの実際、それらを高めていく上での困難や不安、あるいは工夫があるのか、あるとすれば具体的にどのようなものなのかなど10組に半構成的面接を行ったものを分析し、得られた結果をもとに、妊娠期における女性と男性の心理的特性をふまえたうえで、夫婦関係を基盤に母親と父親が互いに協力し合い育児を支える機運を妊娠期から高められるプログラム案を作成し、ハイリスク妊婦とその夫に実施することで、親準備性がどう変化したのかを明らかにする予定であった。 しかし、自身が病気に伴う休職により研究活動を中断したことから、半構成面接によるデータ収集以降研究が全く進まなかった。 今後は、既に手元にある質的データの分析を行い、親準備性に関する研究を専門に行っている研究者より指導を受けながら、ハイリスク妊婦とその夫で明らかになった親準備性が正常経過をたどる妊婦と夫とは異なる特徴的な状況なのかを、再度量的データで再調査(対象の特殊性から、データ確保が非常に難しく対象者確保に非常に難渋したため)を行うことで確認し、最終的には介入プログラム作成に着手する計画となっている。
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