H27年度は、7名の思春期1型糖尿病患児の親に半構成的面接と分析を行った。面接内容を質的記述的に分析した結果、7名のうち4名の研究参加者から≪子どもへの療養行動の移行が順調に進み、子どものとの関わりに困難を感じない≫が抽出された。一方、3名の研究参加者から≪療養行動の移行が順調に進まず、子どもへの関わりに困難感と将来への不安が膨らむ≫が抽出された。 ≪子どもへの療養行動の移行が順調に進み、子どもとの関わりに困難を感じない≫親は、【子どもの療養行動に口出ししないよう我慢(する)】しながらも、【子どもの療養行動を見守りながら、必要な時を見極め介入】することで、【子どもの療養行動の力を育(む)】んでいた。そして、1型糖尿病をもつ【子どもの辛さを理解し、乗り越えられるよう支援(する)】し、【親子で病気をもつことの辛さを乗り越える】ことができていた。そして、【今の子どもなら、もう任せても大丈夫】と子どもの療養行動の力を認め、子どもへの療養行動の移行は順調に進み、子どもの療養行動への関わりに困難を抱いていなかった。 一方、≪療養行動の移行が順調に進まず、子どもへの関わりに困難感と将来への不安が膨らむ≫親は、日々の関わりの中で、【子どもの頑張りに気付け(ない)】ず、【子どもにはしつこくきつく言うしかない】と子どもへの関わりを捉えていた。しかし、【子どもの療養行動への関わり方がわからず、自信がもて(ない)】ず、【子どもの療養行動への関わりに試行錯誤】する日々を送っていた。また、子どもが1型糖尿病をもつことに【親子で病気を受け入れきれない】思いを持ち、【病気を受容できない子どもの気持ちに関わることが難しい】という思いを抱えていた。親は、子どもへの療養行動の移行が順調に進まない中で、1型糖尿病をもつ子どもの【将来がわからず不安が募(る)】っていた。
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