母児分離を余儀なくされた新生児に対する有効な正常細菌獲得を目的とした看護介入につなげるための基礎的研究を行った。まず、母児3組の鼻腔からそれぞれ表皮ブドウ球菌を分離し、それらの異同についてMLVA法を用いて調べた。3組中2組において、母児間で同一の菌株が分離された。また、分離した表皮ブドウ球菌のうち、3菌株はメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)であったことから、市中におけるMRSEの拡散状況を把握するため、健康な成人集団について、MRSEの保有率を調べた。その結果、MRSEの保有率は18.3%であり、同時に調査したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の保有率1.3%を大きく上回っていた。
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