本研究では、分娩期における酸化ストレス度と抗酸化力の推移を解明することを第1の目的とし、その結果を受けて、酸化ストレス度と抗酸化力に対する妊娠期からの影響因子の示唆を得ることを第2の目的とした。 本研究の意義は、いまだ解明されていない分娩期の酸化ストレス度と抗酸化力の数値の解明と安全・安楽な分娩管理の提供することを目指した妊娠期からの助産ケア介入のポイントの解明することである。 平成25、26年度では、研究協力の同意を得た妊産婦に対し、妊娠後期、分娩進行中、分娩終了後(児娩出後)の計3回、試料の採取を行い、酸化ストレス度(d-ROMs)と抗酸化力(BAP)の測定を行った。また、妊娠後期には生活状況に関する質問紙調査を行った。また、カルテから基礎情報の収集を行った。得られた同意の人数は183名であったが、妊娠合併症の発症や緊急帝王切開などにより、分析対象から除外する事例もあった。酸化ストレス度と抗酸化力の測定結果は、結果開示を希望する研究協力者へ郵送で報告し、生活習慣の改善に還元した。 平成27年度では、得られたデータの分析を行い、結果をまとめて学術誌へ投稿し、原著論文として受理された。
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