研究課題/領域番号 |
25862209
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研究機関 | 横浜創英大学 |
研究代表者 |
山下 麻実 横浜創英大学, 看護学部, 講師 (40515863)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | こどもの事故 / 父親 / 母親 / 予防教育 |
研究実績の概要 |
前年度までの文献検討をもとに、今年度は①乳幼児施設における安全対策の実態調査②父親と母親が経験した不慮の事故の実態③父親と母親が実際に行っている安全対策これら3点について、調査研究を実施した。 その結果①乳幼児施設における安全対策の実態調査について:保育所および幼稚園における安全対策の1つとして、体外式除細動器(AED)を設置している施設の割合は26.3%であり設置率が小学校よりも低いことが明らかになった(対象施設 1180施設 回収率 40.5%)。②父親と母親が経験した不慮の事故の実態について:父親母親ともに共通して経験した不慮の事故の内容は、溺水、不慮の窒息、誤飲、転落、やけど、交通事故であった。父親と母親が自由記述したこれまでに経験した代表的な不慮の事故では【ベビーカーに荷物を掛けすぎてベビーカーごと転倒した】【前かがみなったら抱っこ紐からこどもが頭から落ちそうになった】【エレベーターの扉の戸袋にこどもの指が吸い込まれた】などがあり、事故の内容は、これまでの先行研究で明らかにされているこどもの不慮の事故と一致していた。しかし、その一方で、エレベーターをはじめとする自動ドアの普及によって発生する事故や、ベビーカーや抱っこ紐など育児用品の普及から発生する事故など、現代におけるこどもの不慮の事故の発生原因も変わりつつあることが示唆された。(対象人数865人 回収率45.6%)③父親と母親が実際に行っている安全対策:父親が日常的に行っている安全対策の数は6.68(SD3.12)の対策があり、母親は8.63(SD3.0)の対策があることが明らかになった(対象人数865人 回収率45.6%)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳幼児施設における事故予防対策の調査とともに父親と母親を対象にした調査が実施できているため
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今後の研究の推進方策 |
父親と母親が実施している安全対策の具体的な内容を明らかすること。また、父親と母親が入手しやすいこどもの事故予防教育のツールを開発していく。 また、乳幼児施設における体外式自動除細動器(AED)の設置が少なかったことから、AEDの維持管理の方法、小児一次救命処置の訓練の有無などの実態調査を追加していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、調査対象である父親と母親に対して調査用紙を郵送で配布する予定であったが、子どもが所属する保育所や幼稚園より一斉に配布してくださると異なり、大幅に郵送費が減額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
こどもの事故予防プログラム構築に向けて、パンフレットなどの教材作成に充てていきたい
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