本研究では、虐待に陥りやすい養育者の心理傾向を明らかにすることを目的とした。予備調査後、虐待に陥りやすい心理傾向37項目を用いて、全国の乳幼児をもつ養育者1001名に調査を実施し、370名の有効回答を得た。データの分析は、統計解析ソフトSPSS Statistics 24を使用し、探索的因子分析(主因子法、promax回転)を行った。分析の過程で3項目を削除し、【見捨てられ不安】、【自己調整困難】、【猜疑心】、【完璧主義】の4因子構造が妥当であると考えた。 虐待へのポピュレーションアプローチを行っていく際には、上記4因子に関連した養育者の言動に注目することが必要であると示唆された。
|