研究課題/領域番号 |
25862214
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
家曽 美里 関西医療大学, 看護学部, 助教 (30617593)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 育児 / 受診 / 対処行動 / 質的研究 |
研究概要 |
乳幼児を育てる女性の受診行動には、1.体調不良時の受診行動と、2.健診受診行動に大別される。 体調不良時の受診行動について、受診促進要因と阻害要因、体調不良時の対処行動に関する概念枠組み構築のため、半構造化面接法による質的研究を行った。対象は3歳未満児を育てている女性19名で、縁故法とポスターにより募集した。ただし、定期受診の必要な女性と妊婦は除外した。分析方法は「乳幼児を育てる女性が体調不良時にどうするか」という分析テーマに基づき、類似例と対極例を継続的比較しながら、1つの概念を作成した。概念を作成しながら概念間の関係を検討し、複数の概念からカテゴリーを作成した。概念ごとに、概念名、定義、具体例、理論的メモ(疑問や気付き、対極例を書き込めるメモ欄)が入った分析ワークシートを用いた。倫理的配慮は関西医療大学倫理委員会(処理番号13-11)と京都大学大学院 医の倫理委員会(第1052番)の承認を得た。 現在、分析途中であるが、乳幼児を育てる女性には、常に「自分の身体は後回し」という感覚がベースにあると推測される。また、各々に持つ人的資源や仕事といった「背景、環境」、「受診への抵抗感」、症状や治療に関する「情報、予測」、「体調不良のレベル」が複雑に関係し合い、「なんとか自助努力」「受診」「治療の自己中断」と体調不良時の行動が変化すると推測される。今回、19名の半構造化面接法による質的研究のため、今後、更なる検証が必要となる。しかし、女性が育児によって「自分の身体を後回しする」ということが明らかになったのは、育児中の女性の支援を考えるうえで重要だと考えられる。 健診受診行動については、現在、H22年度国民生活基礎調査データの「子宮がん検診」「健康診断受診」を目的変数として、データを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
19名のインタビュー内容の分析を丁寧にするあまり、予想より時間がかかってしまった。さらに、国民生活基礎調査データの解析に時間がかかり、質的研究の分析に時間的影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
1.質問票調査の分析を完了する。 2.H25年度の質的研究の結果に基づき質問票を作成し、インターネットと1歳半健診を利用した質問票調査を行う。 3.国民生活基礎調査データの解析を完了する。
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次年度の研究費の使用計画 |
安くて仕事を丁寧にしてくれる逐語作成業者が見つかり、逐語作成費用が予算より安くなったため。 1歳半健診での質問票調査で、対象者への謝金(500円/人)の一部として充当する予定である。
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