研究課題/領域番号 |
25862218
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
辻村 真由子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (30514252)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 一人暮らし / 高齢者 / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデルを構築することである。3年目である平成27年度は、(1)訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を療養期別に尋ねる質問紙調査の実施、(2) 一人暮らし高齢者の療養期別の支援、支援における工夫と課題を具体的に明らかにするための訪問看護師とケアマネジャーを対にしたインタビュー調査のリクルートと調整、(3)一人暮らし高齢者のエンド・オブ・ライフケア、一人暮らしの認知症者に対する訪問看護に関する研究成果の公表を行った。 (1)と(2)については、平成26年度に作成した質問紙調査票について訪問看護の実践者および高齢者看護の実践者へのプレテストを実施し、修正したものを本調査に用いた。A県の介護情報公開システムに掲載されている293か所の訪問看護ステーションに2票ずつ、質問紙を郵送した。その結果、133票が郵送され、うち23人の訪問看護師から二次調査であるインタビュー調査への協力の意思を示すはがきが返送された。返送されたはがきをもとに、インタビュー調査の調整を行った。 (3)については、平成25~26年度に行った、一人暮らし高齢者のエンド・オブ・ライフケア、一人暮らしの認知症者に対する訪問看護に関する文献検討やフィンランドとイギリスにおける一人暮らし高齢者が住み慣れた地域で生活することを可能とする在宅ケアチームの活動および家族支援に関するインタビュー調査の成果について、学会発表、書籍の分担執筆の形でまとめ、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報収集の過程で、住まいや経済的問題などより広範な視点を含めたソーシャルクオリティの概念を踏まえて一人暮らし高齢者の生活を捉えていく必要性があることが明らかになった。 そのため、文献検討やフィンランドでの現地調査で収集したデータを再分析したうえで質問紙を設計して調査を実施したため、質問紙調査に引き続くインタビュー調査、エキスパートパネルの実施が遅れた。 一方で、学会発表、書籍の分担執筆による研究成果の公表を積極的に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)一人暮らし高齢者への支援を明らかにするための訪問看護師と介護支援専門員を一組としたインタビュー調査、(2)検討会議(エキスパートパネル)による一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案の作成と修正を効率的に実施する。 具体的には、(1)については、教育業務との兼ね合いを見ながら集中的にインタビュー調査を実施する。インタビュー調査の分析は、所属領域の構成員と分析結果について意見交換することを繰り返すことにより、分析を推進する。(2)については、検討会議(エキスパートパネル)に参加する熟練訪問看護師の候補者リストの作成を早期に行い、倫理審査承認後に迅速にデータ収集が行えるように準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)一人暮らし高齢者への支援を明らかにするための訪問看護師と介護支援専門員を一組としたインタビュー調査、(2)検討会議(エキスパートパネル)による一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案の作成と修正の実施が遅れたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を療養期別に尋ねる質問紙調査のデータ入力、集計の委託に係る費用、インタビュー調査における通信費、交通費、研究協力謝金、テープ起こしに係る費用、エキスパートパネルにおける通信費、交通費、研究協力謝金、テープ起こし、会場借料に係る費用に使用する予定である。 また、結果の考察を深め、研究成果を公表するための、図書・資料費、文献複写費、国内・国際学会成果発表旅費などに使用する予定である。
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