研究実績の概要 |
本研究の目的は、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデルを構築することである。最終年度である平成28年度は、(1)訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を療養期別に尋ねる質問紙調査データの分析と考察、(2)これまでの研究成果の公表、(3)一人暮らし高齢者の療養期別の支援、支援における工夫と課題を明らかにするための訪問看護師とケアマネジャーを対にしたインタビュー調査の実施と分析を行った。研究期間全体を通じ、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案の検討を行った。 (1),(2)については、A県内の293か所の訪問看護ステーションに2票ずつ質問紙を郵送し、回収された133票を分析した。この調査結果はホームページで公開した。さらに、アイルランド科学財団(SFI)のThe International Strategic Cooperation Award (ISCA) Japanが主催し、アイルランド国立大学ダブリン校にて開催されたISCA Japan Research Seminar and Workshop Future Healthcare: Connected Health and Ageing Society in Japanに招聘され、これまでの研究成果の一部を発表した。世界に先駆けて超高齢社会に移行している日本における一人暮らし高齢者の訪問看護支援を海外に発信する機会となった。 (3)については、11名の訪問看護師と7名のケアマネジャーを対象としたインタビュー調査を行い、一人暮らし高齢者の療養期別の支援、支援における工夫と課題について質的内容分析を行った。 (4)については、これまでの調査結果を基に作成した一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案について、熟練訪問看護師の助言を得て検討した。
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