本研究は、高齢女性の排尿機能と自律神経、特に副交感神経の機能の関連を明らかにすることである。そこで、高齢者の排尿機能と自律神経の関連を探索するために、排尿開始前と尿排出中の心拍変動を計測し、その心拍変動から副交感神経の調節による膀胱平滑筋の収縮を検出することを目的とした。 高齢女性には排尿の一連の経過中にHRの増減のある者と変動がみられない者がいることが判明した。尿排出中のHRが低下する高齢女性は膀胱収縮力が弱いけれども、 尿排出中HRが持続的に減少することから副交感神経遠心路の興奮を長時間起こすことで排尿を促進させていると考えられる。
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