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2017 年度 実績報告書

IADリスク指標を用いたIAD予防プログラムの構築およびその評価

研究課題

研究課題/領域番号 25862232
研究機関東京大学

研究代表者

市川 佳映  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (50514618)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード失禁関連皮膚障害 / 失禁 / スキンケア / 高齢者
研究実績の概要

Incontinence-Associated Dermatitis(IAD)予防ケアアルゴリズムの作成にあたり、IAD発生予測因子である「尿臭」の原因を明らかにする必要があったため、失禁を有する高齢者を対象に研究調査を実施した。その結果、対象者17名のうち強い尿臭を有する者(臭気の主観的強度が「楽に感知できるにおい」以上に該当)は8名(尿臭群)であった。尿臭の有無別に、アンモニア濃度、尿培養、尿沈渣、尿一般検査、尿性状、バイタルサインズを分析した結果、尿臭群の尿pHが7.5に対し対照群の尿pHは7.0と有意に高く(p=0.021)、尿臭群のリン酸アンモニウムMg結晶の半定量値が1+に対し、対照群は0と有意に高い(p=0.027)ことが明らかとなった。これは、主観的なIADのリスク指標であった臭気にかわり、客観的指標である尿pHを指標として使用することができることを示しており、それが可能となることで、IADのリスク判断は正確かつ容易になることが推測される。またリン酸アンモニウムMg結晶は尿素分解酵素産生菌への尿路感染が原因で出来る結石であるため、尿素分解菌への感染予防・管理がIADの予防・管理手段となることが明らかになったといえる。加えて、両群間にて皮膚の状態を比較した結果、尿臭群はおむつが接触する部位に色素沈着を有している者の割合が有意に高く(p=0.015)、IADによる皮膚の炎症を繰り返している可能性が示唆された。つまり本調査においても、臭気とIAD(炎症性の色素沈着)間の関係が確認できたと判断できる。
以上から、本結果をふまえたIAD予防ケアアルゴリズムが完成した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] AD重症度評価スケール(IAD-set)と ケアアルゴリズム.2017

    • 著者名/発表者名
      市川佳映
    • 学会等名
      第25回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Incontinence-Associated Dermatitis(IAD)の予防・管理における排泄ケアの重要性2017

    • 著者名/発表者名
      市川佳映
    • 学会等名
      第14回排泄ケア・排泄機能指導研究会
    • 招待講演
  • [図書] Visual D. 2018年2月号 Vol.17 No.22018

    • 著者名/発表者名
      ヴィジュアルダーマトロジー編集委員会
    • 総ページ数
      110
    • 出版者
      学研メディカル秀潤社
    • ISBN
      4780907012
  • [図書] スキンケアガイドブック2017

    • 著者名/発表者名
      一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      照林社
    • ISBN
      4796524088

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公開日: 2018-12-17  

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