2013 年度実施状況報告書

自殺に関するアルコール依存症者とその配偶者の夫婦関係の問題とその援助

研究課題

研究課題/領域番号	25862234
研究種目	若手研究(B)
研究機関	三重県立看護大学
研究代表者	羽田有紀三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (10347429)
研究期間 (年度)	2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード	アルコール依存症 / 自殺 / 夫婦問題
研究概要	本研究の目的は、自殺に関するアルコール依存症者とその配偶者の夫婦関係の問題とその援助について明らかにすることである。具体的な研究目的は以下の２点である。１．アルコール依存症者とその配偶者の自殺行動（自殺未遂、自殺についての考え）と夫婦関係の問題の関連を明らかにする。２．自殺に関するアルコール依存症者とその配偶者の夫婦関係の問題に対する援助について探索する。平成25年度は、アルコール依存症者とその配偶者の自殺行動と夫婦関係の問題の関連を明らかにするため、文献検討を行い、調査用紙を作成した。調査用紙の具体的な調査内容は、アルコール依存症当事者に対する調査内容として、①アルコール依存症の個人的要因に関する項目②精神的健康の程度：K10日本語版、③自殺関連事象の経験の有無、④夫婦関係に関する項目：夫婦関係満足度、夫婦間コミュニケーション態度、情緒的支援ネットワーク、会話時間、家事分担、共同活動、健康状態、収入満足度とした。配偶者に対する調査内容として、①個人的要因に関する項目②配偶者であるアルコール依存症当事者に関する項目③精神的健康の程度：K10日本語版、④自殺関連事象の経験の有無、⑤夫婦関係に関する項目：アルコール依存症者と同様の内容とした。作成した調査用紙にて、県内精神保健福祉センターのホームページにて紹介されている県内診療機関情報において依存症対応が明記されている診療機関の入院および外来患者とその配偶者、アルコール依存症自助グループである公益社団法人全日本断酒連盟近畿支部の断酒会員とその配偶者に対して、自記式質問紙調査を行った。県内診療機関としては、研究協力の依頼を行い承認の得られた入院診療機関1か所、外来診療機関2か所にて調査を行った。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 4: 遅れている理由平成25年度は、アルコール依存症当事者とその配偶者に自記式質問紙調査を行い、アルコール依存症者とその配偶者の自殺行動と自殺行動に関係する要因についての実態を明らかにすることを予定していたが、研究者の産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、研究の進行状況が質問紙の配布、回収までとなっている。
今後の研究の推進方策	平成25年度に実施したアルコール依存症当事者とその配偶者を対象とした自記式質問紙調査を統計的に分析し、アルコール依存症者とその配偶者の自殺行動と自殺行動に関係する要因についての実態を明らかにする。さらに、アルコール依存症専門治療施設や精神保健福祉センターにおいて、現在アルコール依存症者とその配偶者に援助を行っている専門職（看護師、保健師、精神保健福祉士）に対して、当事者あるいは配偶者が自殺行動に至った臨床事例および場面の検討を個人面接形式で実施する。事例検討の内容を録音した上で、質的に分析し、自殺に関する当事者と配偶者との夫婦関係の問題、それに対する有効な援助を見出す。
次年度の研究費の使用計画	研究者の産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、研究の進行状況が遅れているため。平成25年度に実施したアルコール依存症当事者とその配偶者を対象とした自記式質問紙調査の結果を検討する。さらに、自殺に関する当事者と配偶者との夫婦関係の問題、それに対する有効な援助を見出すための、インタビュー調査を実施していく。