研究課題/領域番号 |
25862242
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
仲前 美由紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (40434675)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脱水状態 / 体内水分量 / 皮膚油水分 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究は,高齢者の脱水状態を早期にアセスメントできる腋窩以外の有効な部位を検討し,脱水状態を簡便かつ客観的にアセスメントする方法の開発を目的としている。研究代表者の研究において,腋窩の皮膚水分と細胞内液量間には有意な相関があることを示しており,手首内側の皮膚水分が脱水状態を示す評価部位となる可能性があることを示した。今年度は,療養型病床を有する病院やケアハウスに入所する高齢者を対象に部位別生体インピーダンス法と皮膚油水分測定を実施することを目標とした。軽費老人ホームで生活している方を対象に研究意義・研究目的の理解と研究協力を得るため,入所高齢者に研究意義・研究目的の説明ならびに脱水予防の方法を説明した。その結果,同意の得られた28名(介護度なし~介護度3)を対象に部位別生体インピーダンス法と皮膚油水分測定を9ケ所(両側の腋窩・肘関節内側・手首内側・内踝ならびに後頚部)の測定を実施した。測定時期は季節間の比較のため,8月ならびに同意の得られた同一の対象者26名に3月にも実施した。測定結果については整理途中であり,体内水分量と皮膚油水分との関連,皮膚油水分の部位比較を今後分析していく予定である。予定した日常生活行動調査(生活時間,1日の食事摂取と飲用水の内容・量の測定,排尿量の測定)を対象者自身に測定してもらうことが困難であり,計画の修正が必要である。また今年度は比較的自立している方を対象とし測定を実施したため,今後は医療型療養施設で,さらに介護度の高い方を対象とし,同様の測定が実施できるよう現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた軽費老人のホームでの測定を実施することができた。しかし計画していた生活行動調査(生活時間,1日の食事摂取と飲用水の内容・量の測定,排尿量)の測定は,対象者自身に測定してもらうことが困難であり,計画の見直しが必要である。次段階として介護度の高い医療型療養施設の方を対象とし,同様の測定を実施し,自立の程度による比較をし分析していく。今年度は部位別生体インピーダンスの分析を依頼していた研究支援者との調整がつかず分析が遅れた。今後は分析を実施し,次の測定へとつなげていく。
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今後の研究の推進方策 |
軽費老人ホームで同意の得られた方に対し,夏季(7~8月)と冬季(11~2月)の時期に部位別生体インピーダンス法と皮膚油水分測定を実施していく。また介護度の高い医療型療養施設の方を対象に,同様の測定を実施する予定である。医療型療養施設入所者のうち本人から同意を得ることは困難なことが予想され,代諾者に同意を得る必要がある。その場合,研究協力の同意を得ることに時間を要することが推測できため,施設のスタッフに研究協力を得るとともに対応を検討する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が年度の途中で大学を移動したため,予算使用に手間取ったことがひとつの要因である。今年度は,部位別生体インピーダンスの分析を依頼していた研究支援者との調整がつかず分析が遅れたため謝金等の使用が少なかったが,研究支援者と調整し適切に使用していく。 今年度に予定していた物品の購入ができていないため,物品費は次年度に予定の物品を購入する。また研究打合せならびに測定に関わる旅費,学会発表のための参加費,旅費に使用する。部位別インピーダンス測定にかかわる支援者ならびに分析にかかる人件費・謝金は,次年度に繰り越し使用する。
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