研究課題/領域番号 |
25862244
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
熊野 奈津美 (大平 奈津美) 杏林大学, 保健学部, 助教 (10510042)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 要介護高齢者 / 排尿障害 / 家族介護者 / elderly / incontinence |
研究概要 |
平成25年度は、要介護高齢者の排尿障害に関する国内外の文献検討を行ったのち、入院中の要介護高齢者の排尿障害タイプの推定を行い、退院後に要介護高齢者および家族介護者と面接し、どのようにして排尿ケア方法を習得していくのかのプロセスを明らかにする分析を実施する計画のもと、次の3つを実施した。 1.要介護高齢者の排尿障害に関する国内外の文献検討:主に排尿障害タイプを推定するツールの探索を実施した。 2.研究協力病棟および高齢者の排尿障害に精通する研究者との排尿障害タイプ推定方法の協議・検討:研究協力病棟の職員および高齢者の排尿障害に精通する研究者と文献検討をもとに協議し、排尿障害タイプを推定する質問票の検討を行った。岡村らの排尿障害診断質問票を用いる予定であったが、発話の困難な要介護高齢者においては、自覚症状を聴くこの質問票を適用することが困難である場合も多く、研究協力病棟で実施するには再検討が必要であることが分かった。したがって平成26年度も継続して排尿障害タイプ推定方法に関する文献を探索するとともに、小泉らの排尿ケアプログラムを参考に実際に適用する方法を検討する。 3.排尿障害をもつ要介護高齢者の残尿測定に用いる長時間尿動態データレコーダによる残尿測定の試行:研究のプレテストに同意の得られた成人において実施し、実際の生活の中で実施可能な測定方法を具体的に検討した。 現在、平成25年度計画していた入院中の要介護高齢者を対象とした排尿障害タイプの推定のためのデータ収集、要介護高齢者および家族介護者への退院後の面接と分析については、研究協力病棟において研究対象となる高齢者が少なく、排尿障害タイプの推定方法の再検討が必要となったため実施に至っていない。実施方法を具体的に再検討したのちに平成26年度の計画として研究を継続する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度計画していた、要介護高齢者の排尿障害に関する国内外の文献検討、高齢者の排尿障害に精通する研究者との排尿障害タイプ推定方法の協議・検討、排尿障害をもつ要介護高齢者の残尿測定に用いる長時間尿動態データレコーダによる残尿測定の試行は実施できたが、入院中の要介護高齢者を対象とした排尿障害タイプの推定のためのデータ収集と、要介護高齢者および家族介護者への退院後の面接と分析までは実施に至っていないため、やや遅れているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降、平成25年度計画していた入院中の要介護高齢者を対象とした排尿障害タイプの推定のためのデータ収集と、要介護高齢者および家族介護者への退院後の面接と分析までは実施に至っていないため、平成26年度の計画として研究を継続する。現段階では排尿障害タイプの推定方法が決定できていないが、研究協力病棟では残尿測定の実施を要する対象者が多いことが予測されるため、残尿測定方法の勉強会を研究協力病棟において企画・運営し、今後の研究が円滑に遂行できるようにしていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度研究計画では、入院中の要介護高齢者の排尿障害タイプの推定のためのデータ収集、退院後の要介護高齢者および家族介護者への面接および分析まで実施する計画であった。しかし現在のところ、研究協力病棟で研究の対象となる高齢者が少なく、排尿障害の推定方法の再検討が必要であったため、データ収集および面接の実施に至っていない。したがってデータ収集および面接時に使用予定であった使用額が未使用となり、次年度使用額が生じた。 平成26年度において、入院中の要介護高齢者の排尿障害タイプの推定のためのデータ収集、退院後の要介護高齢者および家族介護者への面接を実施するため、次年度使用額は予定していた使用計画どおり、データ収集および入力・分析のために必要であるノートパソコンやボイスレコーダ、データ保存用媒体、情報収集・分析用文具の購入、対象者への謝礼等に使用するとともに、研究を更に円滑に遂行するために実施する研究協力病棟での勉強会用資料作成・実施の費用として使用する。また平成26年度使用計画については、当初予定していた図書費、ガイド作製費、文献およびデータ整理用文具に使用する。
|