本研究の目的は、ストレングスモデルによるケースマネジメントを基盤とした看護介入モデルを導入することによって隔離や身体拘束の施行数が減少するか評価すること、および、精神科看護師が隔離や身体拘束施行中の患者に対して抱くジレンマや否定的感情がどのように変化するか明らかにすることである。平成25年度は、研究グループ構築のため、全国の日本精神科看護技術協会の行動制限最小化看護師に対して研究概要について説明し、協力可能な施設の募集および情報収集を行った。その結果、現在は精神科病院、総合病院精神科など4施設での研究実施について調整中である。また、研究メンバー間でストレングスモデルへの理解、および、保護室における看護への臨床応用を検討するため、ACT全国研修浜松大会や日本精神科看護学術集会にて該当セッションに参加して情報収集を行った。また、当事者自らが自己の人生を再構築してセルフマネジメント力を高めていくために専門職の立場としてどのような支援のあり方が望ましいか、地域の専門職者とのディスカッションを深め、本研究への応用について検討した。 さらに精神科専門の訪問看護ステーションでの訪問看護に同行見学し、当事者が主体的に生活を再構築していく上で、患者のストレングスをどのように活用しているかを検討した。現在、これらの対象者へのストレングスを引き出す看護介入についてモデルを構築中である。そのため、今年度計画していた研究協力者の施設で現在使用している既存のクリニカルパスや隔離解除評価基準との融合に向けた調整まで至っていない。
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