本研究は、脳卒中の後遺症が固定するといわれている発症6ヵ月後に着目し、脳卒中発症時の対処行動(早期受診)が発症6ヵ月後の機能予後および社会活動状況に与える影響を発症時の重症度を考慮して明らかにすることを目的としている。 平成25年度は、研究協力機関に入院した患者から本研究の選択基準に該当する脳卒中患者を選定し、調査の説明および同意を得た。同意の得られた患者に対して診療録の閲覧による退院時調査を実施し、患者基本情報、発症時および入院中の情報を収集した。さらに、発症6ヵ月後に郵送にて自記式質問紙調査を実施した。 滋賀県下の脳卒中診療14基幹病院のうち4施設で研究協力が得られた。研究協力の得られた4施設に入院し平成26年3月末までに退院した患者のうち、選択基準に該当した脳卒中患者は372名であった。研究説明の実施機会が得られなかった患者82名、院内死亡23名を除く267名に研究説明を実施し、225名から同意が得られた(同意取得率84.3%)。同意取得者の脳卒中病型は脳梗塞が152名(67.6%)、脳出血が53名(23.6%)、くも膜下出血が20名(8.9%)であった。脳卒中発症時の年齢(平均値±標準偏差値)は70.5±12.6歳であり、男性が121名(53.8%)を占めた。対象者のうち、平成25年度にすでに発症6ヵ月後の追跡調査まで完了した者は108名であった。 次年度は研究計画の最終年度であるため、引き続き退院時調査および追跡調査を実施してデータ整理を行う。また、研究目的を達成するためのデータ解析、研究の成果発表を行う予定にしている。
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