研究課題/領域番号 |
25862263
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
渋谷 衣都 宮城大学, 看護学部, 助教 (60521838)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アルコール関連問題 / 家族支援 / 保健師 / 判断 |
研究概要 |
本研究は、アルコール関連問題を抱える家族支援に関する質的記述的研究である。本研究の目的は、アルコール関連問題を抱える家族に対し、効果的な家族支援について考察することである。効果的な家族支援について考察することとしたが、その内容は多岐にわたるため、平成25年度はアルコール関連問題を抱える家族に対する家族支援する際に保健師が行っている判断を明らかにすることとした。 今回、アルコール関連問題において家族支援を行った経験がある、行政で働く保健師6名を対象に半構成的面接を実施した。その結果、対象者の属性は、2~5年目が1名、6~10年目が1名、11~15年目が2名、16年目以上が2名、アルコール関連問題業務担当年数は通算1~5年が2名、6年以上が4名であった。年齢は20歳代から50歳代の間であり、1名は男性、5名が女性であった。 行政で働く保健師はアルコール関連問題を抱える家族を支援する際、3のコアカテゴリーが抽出された。【アルコール関連問題が錯綜する本人と家族の現状の判断】を行い、家族の全体像を捉えていた。また同時に【アルコール関連問題を先を見通した支援の判断】を行っていた。その上で【家族員の自立性を引き出す実現可能な支援の判断】を行っていた。 アルコール関連問題を抱えた家族は、家族自身の自立性が低下してしまっているため、保健師は、その自立性の程度を判断し、それに合わせた実現可能な支援を判断していくことが重要となると考えられた。また、保健師は、世代間連鎖に関連しているアルコール関連問題の判断を行い、アルコール関連問題から家族が回復し、次の世代に連鎖させないために、家族の生育歴を把握し、どのような問題が現在生じているのか充分に判断を行っていくことが必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家族がアルコール関連問題を抱える本人に対し、どのような対応を行っているかも重要であるが、その家族を支援する保健師の関わり方によって、その家族が本人にどのように対応するかも変わってくるため、更に重要であることが分かった。面接対象者は変更したものの、保健師の効果的な家族支援について多くのデータを得、分析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、更に分析を進め、アルコール依存症やアルコール関連問題における、家族に対する保健師の効果的な家族支援について考察をしていく。 また、研究成果についてまとめ、論文投稿や研究協力者および関係機関等へも報告を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査対象者の確保が難しく、対象者が当初の予定よりも少ない結果となったこともあり、旅費や調査に必要な経費も結果として減少したためである。しかし、各研究対象者から得られたデータが当初予定より膨大であったため、次年度使用額は少額にとどまった。 平成26年度は、研究成果の報告・発表のため、研究対象者や関係機関先への出張等も考えているため、平成25年度未使用分もあわせ経費使用をさせていただきたいと考えている。
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