本年度は、実態調査と、これまでの結果をもとに、小規模事業場の健康づくりに関わる保健医療スタッフに対し、フォーカスグループインタビューを行った。そして、「小規模事業場における健康づくり支援ガイドライン」を作成した。インタビューの対象者は、中小企業等で働く従業員やその家族が加入している保険者で、実際に事業場に出向き、保健指導などの援助活動を実践する保健師である。そのインタビュー内容を分析し、ガイドラインの項目として、6つのステップを作成した。1つめのステップは「事業主の健康づくりの意義の理解」、2つめのステップは「事業場内での健康づくり文化の醸成」、3つめのステップは「法令順守による労働安全衛生の徹底」、4つめのステップは「従業員の健康課題の把握」、5つめのステップは「健康課題の要因把握(人・環境)」、そして最後のステップは「要因を解決する健康づくりの実施」である。ステップには、それぞれチェック項目を設け、どのような活動が達成できると健康づくり支援が実践できるか確認できるよう工夫を行った。連続的に繰り返すことによって、事業場の実情にそった健康づくりを実現していくことを目指す。今後、作成したガイドラインをもとに評価指標等の作成を行い、効果的な健康づくりの促進が図れるよう洗練化していく予定である。
|