研究課題/領域番号 |
25862268
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
大谷 喜美江 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (30507843)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Daily Uplifts / Daily Hassles / 保健行動関連要因 |
研究実績の概要 |
就労者の日常の出来事とストレス回復力に応じた糖尿病予防教育プログラムを検討するために、平成27年度は、保健行動に影響を与える各要因間の関係性を検討するため、インターネット調査および質問紙調査の2つの量的調査研究を実施した。 インターネット調査では、様々な背景をもつ40歳以上の就労者を対象に、日常の出来事(Daily Hassles, Daily Uplifts)やストレス回復力(Resilience)、保健行動の実践状況、運動・身体活動と食生活に関する行動変容ステージ、ストレス時の飲食行動(過食・食欲不振・深酒)、コーピング、定期健康診断の受診状況と結果についての調査を実施した。その結果、Daily Hassles ・Daily Uplifts・Resilience、およびストレス時の飲食行動と保健行動の実践に有意な関係が認められた。加えて、ResilienceへDaily Upliftsが一定の影響を与えることが示唆された。さらに保健行動継続支援に役立てるためにDaily Upliftsを定量的に把握できるよう、Daily Upliftsに関する尺度開発に向けた因子分析を行い、一定の結果を得た。 質問紙調査では、中小企業と大企業の計2企業を対象に2年分の定期健康診断結果をマッチングさせた後ろ向きコホート調査を実施し、健診結果と本研究を構成する主要な関連概念との関係性を検討しようとした。結果は現在まだ分析を継続中であるが、単年度の健診結果とストレス時の飲食行動では、例えばストレス時の過食に「よく当てはまる」群は「全く当てはまらない」群より平均体重が有意に大きい等が認められており、保健行動の支援においてはストレスマネジメントに向けた支援も重要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
労働者の日常の出来事とストレス回復力等の要因間の関係性を把握するためのインターネット調査、および労働者の定期健康診断結果の変化と要因の関係性を把握するための後ろ向きコホート調査の2種類の量的調査をすでに終えている。また結果の分析も進んでおり一定の結果を得ているため、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、26年度のインターネット調査回答者に再度フォローアップ調査を行い、日常の出来事やストレス回復力、保健行動の実践状況等の変化を把握する。またDaily Uplifts尺度開発に向けた再テストも行う。 さらに、平成26・27年度の調査研究で得られた知見をもとに、糖尿病予防教育プログラム(暫定案)を作成する。また、立案した教育プログラム(暫定案)の妥当性を検討するために、企業に所属する保健師・看護師等へのインタビュー調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
量的調査研究の一部(インターネット調査におけるフォローアップ調査)を平成27年度にも実施する必要性があるため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度にも量的調査研究を実施するため、次年度使用額はこれらに充当する予定である。
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