研究課題/領域番号 |
25862270
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研究機関 | 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 |
研究代表者 |
鳥本 靖子 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, その他部局等, 研究員 (90566241)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 家族介護者 / 支援体制 |
研究実績の概要 |
要介護高齢者の在宅介護を行っている家族介護者への支援体制の現状課題の把握と今後の在り方の検討が本研究の目的である。今年度は、本研究の先行研究となるデータの分析整理を精査し、調査計画の策定と準備実施を行うこととしていた。しかし、2015年4月より介護保険制度の改正があり、現行制度において、任意事業として家族介護者支援の役割を担う位置づけにもなっている地域包括支援センターの業務が自治体によって制度改正に対応する業務を行うこともあり、調査時期を変更することとした。また、全国からサンプル抽出を行った上で郵送調査を行うことを検討していたが、介護事業体制の地域差ならびに在宅介護には地域文化なども大きく影響していることが指摘されている先行研究を検討した結果、全国からのサンプル調査ではなく、集中した2~3の市町村内で対象サンプルを網羅する形で調査を実施することが望ましいと判断した。また、調査内容の計画段階で、機関連携のことも加味する必要があると考え、自治体での業務体制が把握しやすいエリアでの調査を実施する方向性でフィールド設定をすることとした。家族介護者の経時的な変化に関するデータ分析結果ならびに各サービス提供者の意見からも、家族介護者の状態の変化は大きく、また接点のある者は多職種にわたるがその捉え方と対応の認識は異なっており、支援の際の課題となるものと思われ調査にも考慮する必要があると考えている。地域包括支援センター職員からの現状聞き取りを踏まえ、計画を再考し調査実施を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象機関における制度改正にともなう影響と状況を加味し、調査内容と時期の変更ならびに先行研究の精査から調査項目の変更と設定フィールドの変更を行ったため。修正の後、倫理申請ならびに調査実施を行うことにしており、順次遂行できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象となる機関の職員からのヒアリングならびに関係分野の研究者からの意見・レビューとともに、イギリスなどですでに導入されている家族介護者への支援の概念枠組みならびに取り組み状況なども参考にした上で調査項目・調査フィールドを再考の上、実施し、データ収集と分析まで仕上げる予定である。各介護サービス提供者によって家族介護者に関する認識も異なる状況も踏まえ、データ収集や分析には多様な視点を留意したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
介護保険制度改正があることによる調査対象機関への影響を考慮して、調査時期を変更し、それにあわせて調査項目の見直しと調査フィールドの変更等から、調査経費の支出が翌年度に発生することになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度にずれ込んだ調査実施の経費ならびにデータ入力処理等の委託費に組み込み用いていく、また翌年度分として請求した予算については研究成果発表等の経費として用いていく予定である。
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