研究課題/領域番号 |
25862271
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
林 真二 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (50635373)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 訪問型介護予防事業 / 閉じこもり高齢者 / 複合プログラム |
研究実績の概要 |
閉じこもり傾向にある高齢者を抽出して、運動、栄養、口腔等の複合プログラムによる訪問型介護予防事業を実施するため、対象者の選定を行った。研究の協力機関であるA市は、平成26年度に要支援・要介護認定者を除く地域在住高齢者2万8千人に介護保険法地域支援事業で指定する生活機能チェックリストの質問紙を郵送し、2次予防対象者1280人を抽出した。さらに、A市は、訪問型介護予防事業への参加勧奨のため、趣旨、事業内容の説明文を同封し再郵送を行った結果、319名の返信があり、うち62名の同意を得た。62名の対象者について、A市より情報を得て、生活機能を把握するため訪問による健康状態と生活機能評価の実態調査を実施した。調査の結果、すでに介護度の悪化した者、医療依存度の高い者、認知機能の低下や精神症状のある高齢者を除く、閉じこもり傾向にある20名を選定し、事業への参加同意を得ることができた。20名は事業前のベースライン時の生活機能測定をし、そのうち9名は、訪問型介護予防プログラムの研修及び訓練を受けた看護師2人により、平成28年1月から3月末まで事業を実施した。介護予防プログラムは、対象者1人につき2週間に1回の訪問を計6回実施した。初回と最終回の2回は,事前・事後評価訪問,4回は訪問指導とし,訪問指導の翌週は電話相談にて経過観察と支援を4回行う。訪問時間は1時間以内,電話相談は15分以内とした。実施するプログラム内容は、閉じこもり予防のプログラム以外に運動機能向上・栄養改善・口腔機能の向上・うつ予防・認知症予防を含めた複合プログラムとして、個別性に会わせた介入プログラムとした。残りの11名についても平成28年度中に実施し、ベースライン後から事業前生活機能測定及び実施後の生活機能を測定し、クロスオーバーによる両群の生活機能を比較することで訪問型介護予防事業の効果を分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者抽出及び訪問による選定作業、参加者の同意を得るのに時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に訪問型介護予防事業に参加した前半グループ9名と参加しなかった後半グループ11名の事業前、事業後の生活機能評価を行い、事業効果を分析する。 また28年度は後半グループが事業に参加し、事業前、事業後の効果を測定するとともに、すでに平成27年度に事業参加した前半グループの3か月後の生活機能の評価を行うことで、介護予防事業実施後の効果の持続性を分析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問型介護予防事業のための対象者抽出、選定作業が遅れたため、平成27年度中に抽出したすべての対象者の事業参加ができず、次年度に事業が延長したことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に平成27年に訪問型介護予防事業に参加できていない11名の事業を実施し、事業の効果を分析する。
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