研究課題/領域番号 |
25870002
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
コリー 紀代 (伊藤 紀代) 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80431310)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 気管内吸引 / 眼球運動 / リスク / オントロジー / 熟練 / 看護師 / 学生 / 在宅人工呼吸器 |
研究概要 |
眼球運動測定装置を用い、熟練した看護師が行う気管内吸引時の注視時間・注視物の解析からリスク回避法について解明するという目的に関しては、気管内吸引乾燥法において初学者(看護学生)と比較することで、看護師の視覚的情報収集の効率性において明確な差があるということが明らかとなった。気管内吸引技術におけるリスクを「身体の負担」「感染」「効率」「コスト」「安全」という5項目によって評価する先行研究や、2013年に発表された海外の論文においては、気管内吸引関連のAdverse eventsには「出血」「感染」「低酸素」という患者側における3大リスクが示されていた。看護師の観察はそれらを巧妙にカバーする形で行われており、看護師らは経験的に意識的・無意識的観察を行っていたと考えられる。看護師の熟練度と経験年数は相関しないという結果から、先行研究をサポートする結果となったが、正確性・スピードの向上因子の分析や、視覚から入った情報の認知システム(すなわち「注意」「判断」等)への分析へと研究を進めていくことができると考えられる。以上より、26年度中に人間工学関係の雑誌への投稿を目指す。また、在宅人工呼吸器の普及数を調査し、今後、在宅において気管内吸引必要児・者数のデータを入手しているところである。 26年度は気管内吸引の6方法について比較し、ある一つの吸引法では経験のある看護師がほかの吸引法で技術習得する際の習得速度を学生と比較する。ケアレスミスが生じやすい手順や回数などの状況を考慮し、来年度のオントロジー構築に向けた言語化を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度は看護師からのデータ収集のみの予定であったが、学生からのデータ収集も終了できた。6方法の比較は25年度中に実施予定であったが看護師と学生からのデータ収集を先に実施したため、26年度にまたがることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究で作成したアクティビティ図をもとに、本調査結果で得られた看護師の認知面を可能な範囲で言語化し、オントロジーの構築を目指す。オントロジーの作成に当たっては、気管内吸引を日常・常時行っている看護師複数名からの視点を加味することで信頼性と妥当性の担保とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度3月末の学会参加の旅費として使用予定。 25年度旅費として使用。
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