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2014 年度 実施状況報告書

多重タスク問題における学習者の視線と学習効果に関するオントロジーの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25870002
研究機関北海道大学

研究代表者

コリー 紀代(伊藤紀代)  北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (80431310)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードシュミレーション / 気管内吸引 / 看護教育 / 可視化 / 暗黙知 / 視線計測
研究実績の概要

気管内吸引を行う看護師と看護学生の眼球運動を測定、比較した結果、1)看護師の視野の広さ、2)看護師の軌跡速度の二峰性(緩急をつけて観察している)、3)看護師の情報収集能力の高さが示唆される結果が得られた。
1)に関しては、看護学生はひとつの動作に集中するあまり、視野が焦点化する傾向がうかがわれた。看護師の視野は広く、対象物との距離を保っていた。2)に関しても、看護師は、手袋を装着しながら次の動作のために視線を移している、ということが観察された。これにより、看護師による気管内吸引の所要時間は約80-90秒であったが、看護学生の所要時間は約160-170秒であり、視線移動が行動の手際のよさの一因と考えられた。また、患者が吸引を必要としてから、あるいは看護師が吸引が必要という判断を行ってから、カテーテルを気管内カニューレに挿入するまでの時間短縮が看護の質を向上させることが示された。3)に関しては、気管内吸引後に観察結果の報告を受けるという設定で実施したところ、看護学生は視線を移動させてはいても意識的に見ていないこともあり、「見る」ことと「情報として認識する」ことの間に大きな乖離の存在が明らかとなった。
これにより、看護師は情報としてどこをどのタイミングで見ればよいかを身体の中に内包し、情報を効率的に収集しつつ、気管内吸引を実施していると言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定よりもスケジュールが遅れているが、26年度末に予定していた2回目の実験を行うことができた。

今後の研究の推進方策

27年度はデータ解析を進め、論文投稿、学会発表などにより結果の公表に努め、今後の研究課題を明確化したい。

次年度使用額が生じた理由

25年度未使用額を考慮していなかったため。

次年度使用額の使用計画

論文の英文校正、掲載料に使用予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differences in visual attention between novice and expert nurses performing endotracheal suctioning(ES): A similation study2015

    • 著者名/発表者名
      Noriyo Colley, Tadayoshi Asaka, Shinya Sakai, Yasuko Nagata, Hiromi Shimizu, Chiseki Honda, Tomoyuki Sasaki, Takeshi Nishioka
    • 雑誌名

      Therapeutics and Engineering

      巻: 27(2) ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 気管内吸引法6種の実施時間の比較2015

    • 著者名/発表者名
      コリー紀代、清水弘美、長田靖子
    • 学会等名
      日本医工学治療学会第31回学術大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2015-03-29 – 2015-03-29

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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