研究課題
若手研究(B)
本研究は、「20世紀最悪の環境破壊」とも称されるアラル海での生態危機について「災害」と定義し、1960年代から現在に至るその環境史を包括的に明らかにした。公文書資料・新聞・雑誌を一次資料とするソ連史学的な手法を取ると共に、境界研究、環境社会学、人文地理学などのディシプリンも取り入れ、学際的な研究を目指した。アラル海災害への対応策やアラル海の将来をめぐる「スケールの政治」、災害を防げなかった理由としての時間的・機能的・空間的「ミスフィット」、災害復興と持続可能性の問題など、アラル海災害の個別事例に留まらない、比較検証可能な形での歴史記述を行った。
ソ連史