no-slip境界条件近くの軸対称Navier-Stokes方程式の振る舞いに関する大規模数値計算の研究を、(当時)早稲田大の野津氏と(当時)東工大の許氏とで進捗させた。その論文はJ. Fluid Mech.に既に受理されている。双曲型流れ(Background flow)に旋回の効果(secondary flow)とno-slipの効果が重なることにより、その速度場の絶対値が増大し、更に、その渦度方向が激しく変化する現象が起きることを明らかにした。よってこれは、数学論文のGiga-Hsu-Maekawa (2014 Comm. PDE)における、平らなno-slip境界条件を課したNavier-Stokes流における渦度方向のblowup criteriaとも密接に関連している。
流体の局所的振る舞いに関して、2次元オイラー方程式における双曲的な流れ場に対する洞察が進んだ。これは東工大の三浦英之氏と伊藤翼氏との共同研究である。先ず最初に、領域の角が90度である場合の、その角付近における流れ場の振る舞いを考えた。この研究には、グリーン関数を使った速度場の評価がカギとなる。論文としてJ. Math. Fluid Mech.に既に受理されている。次に角が90度だけとは限らない一般の角度の場合の洞察も進捗させた。この場合は等角写像とグリーン関数を組み合わせた評価がカギとなる。論文としては既に完成しており、今現在投稿中である。
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