研究課題/領域番号 |
25870011
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
寺沢 重法 北海道大学, 文学研究科, 助教 (60632156)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 宗教社会学 / 社会意識論 / 台湾研究 / 計量社会学 / 利他主義 / 社会参加 / 台湾社会変遷基本調査 / 2次分析 |
研究概要 |
東アジアにおける宗教性と利他主義の多面的な関連について、台湾を事例として、台湾で実施されている大規模調査「台湾社会変遷基本調査」(TSCS)の計量分析を通じて検討することが本研究の目的である。研究計画では2013年度を、先行研究の精査および計量分析、学会における成果発表の期間と設定したが、ほぼ予定通りに遂行することができた。以下具体的な研究の進捗状況である。 (1)文献レビュー:宗教と利他主義に関する欧米・台湾の関連文献を収集し検討を行った。検証すべき仮説、使用すべき変数などが明確になるとともに、台湾における計量的宗教研究の動向についてもほぼ網羅することが可能となった。 (2)分析:2004年と2009年に実施されたTSCSの分析を行った結果、寺院や廟などのネットワークおよび内発的宗教性(intrinsic religiosity)が台湾の利他主義に明確な関連をもつ傾向が確認された。また近年のスピリチュアリティに関する意識・行動が、寺院内等での宗教ボランティアを超えた、幅広いボランティア活動への参加に結びついている可能性も確認された。 (3)成果発表:2013年6月にフィンランドで開催された第32回国際宗教学会において研究成果を英語で口頭発表した。現在セッションメンバーとともに研究成果を編著もしくは特集論文として英文で発表する計画を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度の研究計画通り、文献レビュー、仮説の設定、データ分析を行うことができた。また研究成果をもとにした国際学会での発表を行い、英語による論文の発表も予定している。これらの状況を鑑みて、研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究を引き続き進展させる予定である。特に2013年度に研究を進めていくなかで、台湾での資料収集および台湾の研究者との議論が必要であることもわかったため、来年度は数回台湾へ出張することも考えている。なお研究成果の公表については、2013年度の成果をもとに1~2回の学会発表、2~3本の論文投稿を予定している。
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