• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

ポリコーム複合体PRC2の多様性の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25870014
研究種目

若手研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

長尾 恒治  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 講師 (60426575)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードヘテロクロマチン / ポリコーム複合体 / エピジェネティクス
研究概要

ポリコーム群複合体PRC2は、発生・分化の過程で決定される遺伝子発現パターンの維持に必要であり、ヒストンH3の27番目のリジンをメチル化 (H3K27me)することで遺伝子発現の抑制を行う。PRC2による発現抑制の代表例には、HOX遺伝子群の制御やX染色体の不活性化が知られている。しかし、PRC2がどのように多種多様な遺伝子領域を見分けて制御するのか、ヒストンH3の9番目のリジンのメチル化 (H3K9me) を介したもう一つの遺伝子抑制システムとの関係など、PRC2の制御メカニズムは未だ明らかになっていない。そこでPRC2複合体の全貌を明らかにするために、我々が見いだした新規因子を含む全14種類のPRC2構成因子に対して、免疫沈降による精製とその質量分析器を使った同定を行い、PRC2構成因子間の相互作用マトリックスを作成した。その結果、排他的にPRC2複合体に含まれる構成因子と、必ず含まれるを構成因子を見いだすことができ、構成因子を使い分けることでPRC2複合体には少なくとも6種類存在することを見いだした。また、新規PRC2構成因子のゲノム上での作用点を明らかにするためのChIP-seq解析の準備を行い、特異的抗体の整備、クロマチン断片化条件の設定を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

網羅的な免疫沈降ー質量分析器による解析によりPRC2複合体の構成因子間の関係を明らかにでき、いままで明らかでなかった複数種のPRC2複合体が存在することを明らかにできた。またそれらの機能的違いを明らかにするための実験系、材料を準備することができた。

今後の研究の推進方策

前年度に準備のできたChIP-seq解析系を用いて、見いだしたPRC2複合体それぞれが、どこでいつ機能しているのかを明らかにする。また排他的にPRC2複合体に含まれる構成因子が、どのようなメカニズムでその排他性が補償されているのかを、結合領域の同定を通じて明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

PRC2構成因子のChIP-seq解析を行うにあたって、まず綿密な条件検討を行うことを優先したため、最も費用のかかる次世代シーケンサーによる解析の中に次年度となったところがあるため。
次世代シーケンサーを用いた解析に使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Human inactive X chromosome is compacted through a polycomb-independent SMCHD1-HBiX1 pathway2013

    • 著者名/発表者名
      Nozawa, R. S.*, Nagao, K.*, Igami, K. T.*, Shibata, S., Shirai, N., Nozaki, N., Sado, T., Kimura, H., and Obuse, C.
    • 雑誌名

      Nat. Struct. Mol. Biol.

      巻: 20 ページ: 566-573

    • DOI

      doi: 10.1038/nsmb.2532

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バー小体の正体 - HBiX1-SMCHD1複合体によるヒト不活性化X染色体の凝縮2013

    • 著者名/発表者名
      長尾恒治、野澤竜介、小布施力史
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 31 ページ: 1771-1775

  • [学会発表] Role of Histone H3 lysine 9 trimetylation in mouse X chromosome inactivation2014

    • 著者名/発表者名
      Koji Nagao, Sachiko Shibata, Ryu-suke Nozawa, Masaaki Okuda, Hiroshi Kimura, Takashi Sado, and Chikashi Obuse
    • 学会等名
      2014 Keystone Symposia Conference, Long Noncoding RNAs: Marching toward Mechanism
    • 発表場所
      Eldorado Hotel & Spa (USA)
    • 年月日
      20140301-20140301
  • [学会発表] Allele specific ChIP-seq profiling of inactive X chromosome in mouse2013

    • 著者名/発表者名
      Koji Nagao, Sachiko Shibata, Ryu-suke Nozawa, Masaaki Okuda, Hiroshi Kimura, Takashi Sado, and Chikashi Obuse
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      20131203-20131203
  • [学会発表] バー小体の正体 - SMCHD1-HBiX1複合体によるヒト不活性化X染色体の凝縮 - 第26回インターゲノミ クスセミナー2013

    • 著者名/発表者名
      長尾恒治
    • 学会等名
      第26回インターゲノミクスセミナー
    • 発表場所
      神戸大学(神戸市)
    • 年月日
      20131122-20131122
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi