研究課題/領域番号 |
25870018
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
飯森 俊文 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60360947)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 磁性体 / 紫外可視分光 |
研究概要 |
我々はこれまでに、有機電荷移動錯体の単結晶を対象に、レーザー光を結晶に照射したときの電気伝導度や磁化率の変化について研究をすすめてきた。本研究では、強磁性もしくは自発分極などの電気物性や磁気物性を示す材料を対象として、光を用いた計測を行うための装置を開発することを目的とした。本年度は、主として磁性を測定するための装置の開発に取り組んだ。磁化をもつ物質と光が相互作用すると、磁気円偏光二色性などが生じることが知られており、物質の磁性の評価手法として利用することが可能である。測定手法として、本研究では偏光変調法を採用した。測定装置の光源として、キセノンランプをモノクロメーターと組み合わせて用い、偏光子を利用して直線偏光とした。モノクロメーターの波長制御にはパルスモーターを利用し、静磁場の発生には電磁石を用いた。直線偏光の偏光状態を、偏光変調素子を用いて変化させ、直線偏光子を透過したあとの光強度をフォトダイオードもしくは光電子増倍管によって検出した。光信号出力をオシロスコープを用いて観測したところ、偏光の変調と同期して光強度が変動する結果が得られた。したがって、測定装置の重要な部分について立ち上げることができた。今後、測定波長や磁場強度などを制御しながら光信号を測定し、波長依存性(スペクトル)を測定するためのシステムを完成させ、実際に試料を用いて、スペクトルの測定を行うことを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の実施にあたり、研究代表者の異動にともなう所属研究機関の変更があり、新しい研究環境の整備が必要になったため研究の遂行にあてるエフォートが予定よりも減少した。そのため目的の内容に未達成の部分があるが、概要に示したように装置の開発に向けて進展があったと考えられることから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき測定システムの開発と実際の試料の測定に取り組む。また、自発分極を有する試料を測定するための装置の開発にも取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の実施にあたり、研究代表者の異動にともなう所属研究機関の変更があり、新しい研究環境の整備が必要になったため研究の遂行にあてるエフォートが予定よりも減少した。そのため研究計画未達成の部分があり次年度使用額が生じた。 研究を遂行するために必要な機器や消耗品の購入費用などに助成金を使用する予定である。さらに研究成果発表のための学会参加旅費などに助成金の一部を使用する予定である。
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