研究課題/領域番号 |
25870023
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
本橋 幸康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80386549)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 学力調査 / 教育課程 / 国語学力 / 地域 |
研究概要 |
戦後の全国各地の教育研究所や教育委員会が作成した学力調査に関する資料および基底(基準)教育課程に関する資料を収集し、授業改善、学力向上のための取り組みの特色として、学習の過程に着目した学習指導、問題の作成などを指摘することができた。 文部省学力調査と同じ時期に平行して行われた昭和20~30年代における全国各地の教育員会や教育研究所が作成・実施した学力調査においては、すべての国語の学力の実態を把握する目的ではなく、作文や読解などに焦点化して学力の誤答分析を行えるよう学習の過程を問うような問題が作成されていた。 たとえば、千葉県小学校低学年学力調査のように、国語の能力を一つ一つ独立したものとはとらえずに、それぞれが関連し合って「有機的に一体となって働いている」総合的な能力観、学力観が昭和20年代に芽生えていたことを指摘することができた。 また、昭和20年代において、北海道釧路市基底教育課程においては、日常生活に関連させて領域を関連づけた「話し合い」活動、資料を読み比べたり、調べたりするような主体的な学習を促す言語活動が設定されていることも指摘することができた。 これらの地域学力調査や教育課程の具体的な資料から、能力論中心に形成されてきた国語の学力構造や学力論を学習指導・学習評価の具体的な側面から改めて問い直すことは、これからの国語科教育における学力論・評価論を検討する基礎的資料となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、北海道と関東地方(埼玉・千葉・神奈川・東京・茨城)を中心に地域学力調査および基底(基準)教育課程を収集、検討してきた。大学附属図書館や地域教育研究所の資料を基に資料収集、考察を行い、目録の作成を行っているところである。資料のリストが整いつつある中、資料そのものが収集困難な場合が多い場合がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後も資料の収集にあたり、地域教育研究所などへ資料調査に取り組み、学力調査や教育課程などの具体的な資料から国語科学力論、評価論を考察したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
北海道教育研究所への資料調査旅費1回分の金額に満たなかったため、資料調査1回分を断念したため。 北海道教育研究所(札幌)保管のの地域学力調査、地域教育課程資料の収集のために資料調査を行う。
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