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2013 年度 実施状況報告書

非拘束脈波モニタリングに基づく生体疲労に着目した走行路面管理手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25870026
研究種目

若手研究(B)

研究機関北見工業大学

研究代表者

富山 和也  北見工業大学, 工学部, 助教 (70589580)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード路面評価 / 生体情報 / 生体脈波 / ドライビングシミュレータ / リフティングウェーブレット
研究概要

本研究は,走行路面性状に起因する生体疲労の発生・蓄積メカニズムを解明し,生体脈波に着目した疲労の非拘束モニタリング結果に基づく,新たな走行路面管理手法の開発を目的としている.平成25年度は,三次元測量に基づく路面損傷実態の把握と仮想道路空間の構築を目的とし,(1) 道路環境データ収集と路面実態把握,および(2) 路面評価型ドライビングシミュレータ(DS)による仮想道路環境の構築に取り組んだ.
はじめに,車両の実勢走行速度下で測定が可能な,加速度計を用いた簡易路面平坦性測定装置を用い,北海道内の中核都市における道路調査より,ネットワークレベルでの路面実態を把握した.また,路面測定データ解析の効率化を目的とし,リフティングウェーブレットによる,特徴的な損傷箇所の特定手法を提案した.これにより,生体情報と路面性状を効率的にリンクさせることができるものと期待できる. 加えて,三次元道路空間モデリングデータを効率的に収集するため,レーザーレンジセンサーを用いた車載型簡易測定システムの構築を行なっている.
続いて,DSにおいて,路面性状(平坦性およびすべり摩擦)の異なる道路環境および走行シナリオを構築し,次年度実施予定の,路面性状に起因する生体疲労の蓄積メカニズム解明に資する,予備走行試験を実施した.その結果,凹凸路面を長時間走行することで,心理的な負荷が増加すること,ならびに,すべり摩擦に起因する車両操安性の低下について,生体脈波により評価可能であることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い,本年度は,(1) 道路環境データ収集と路面実態把握と(2) 路面評価型ドライビングシミュレータ(DS)による仮想道路環境の構築に取り組み,概ね当初の目的を達成した.(1) について,レーザーレンジセンサーによる三次元道路空間測定システムの本格的な運用は次年度の課題となっているが,ネットワークレベルでの路面状況の実態を把握し,特徴的な損傷箇所の特定方法の開発に成功している.また,(2)においては,DSにおける路面性状を考慮した走行シナリオを構築し,予備試験を実施するまでに至っており,当初の計画以上の進捗を得ている.

今後の研究の推進方策

今後は,レーザーレンジセンサーによる三次元道路空間測定の本格的実施に向けた取り組みを行ない,その結果を利用して,生体疲労の発生・蓄積メカニズムを明らかにするための,脈波測定装置を備えた路面評価型ドライビングシミュレータ(DS)試験環境を整備する.続いて,DS走行試験を実施し,心理負荷を根拠とした,生体脈波指標による路面由来の生体疲労評価を行なう.最後に,走行路面性状に起因する車両振動レベルおよび持続(曝露)時間に基づき,生体疲労の評価尺度および閾値を設定し,生体疲労に基づく,舗装のネットワーク管理に対応した新たな路面管理手法を提案する予定である.

次年度の研究費の使用計画

当初,車載型簡易道路測量システム構築のため,ライカ社製のレーザートータルステーションを導入する予定であったが,当該装置導入にあたり,再度情報を収集したところ,SICK社製のレーザーレンジセンサーが,よりコストパフォーマンスにすぐれ,本研究課題の遂行に適することがわかった.そこで,代替品として後者のレーザーレンジセンサーを導入し,余剰金が発生したため,次年度へ繰り越すこととした.
今年度は,ドライビングシミュレータを用いた走行試験の予備試験を実施するまでに至ったため,次年度導入予定であった脈波収集システムを前倒しで導入した.一方で,次年度は,レーザーレンジセンサーによる三次元道路空間測定の本格的な実施が望まれるため,車載型簡易道路測量システムの性能向上,および測定データ処理のための数値計算ソフトウェアの導入に,繰り越した予算を活用する予定である.また,ドライビングシミュレータを用いた走行試験を実施するにあたり,実験補助者および実験協力者への人件費・謝金として使用予定である.加えて,得られた成果を,国内外の学術雑誌および学会・会議で積極的に発表していく予定であり,旅費および論文投稿料を計上している.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Lifting Wavelet Transform for Distress Identification Using Response Type Profilers2014

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Tomiyama, Akira Kawamura, Ohiro Tomonori
    • 雑誌名

      Proceedings of Transportation Research Board

      巻: 93 ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地方自治体の舗装維持管理実態を考慮した市街地道路の効果的な路面点検手法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      富山 和也, 川村 彰, 藤田 旬, 石田 樹
    • 雑誌名

      土木学会論文集F3(土木情報学)

      巻: 69 ページ: I_54-I_62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Automatic Detection Method of Localized Pavement Roughness Using Quarter Car Model by Lifting Wavelet Filters2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Tomiyama, Akira Kawamura, and Tateki, Ishida
    • 雑誌名

      International Journal of Pavement Research and Technology

      巻: 6 ページ: 627-632

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 加速度計を用いた平坦性測定装置による凍上を受けた高速道路の路面損傷箇所の特定2013

    • 著者名/発表者名
      富山和也,川村 彰,大廣智則
    • 雑誌名

      土木学会論文集E1(舗装工学)

      巻: 69 ページ: I_17-I_24

    • 査読あり
  • [学会発表] モバイルプロフィロメータを用いたリフティングウェーブレットによる路面損傷の検出2013

    • 著者名/発表者名
      富山和也,川村 彰
    • 学会等名
      土木学会年次学術講演会
    • 発表場所
      日本大学生産工学部津田沼キャンパス
    • 年月日
      20130904-20130906

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公開日: 2015-05-28  

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