道路利用者は,常に路面由来の車両振動に曝露されるにも関わらず,道路交通環境下での生体疲労において,路面性状による影響は解明されていない.そこで,本研究では,非拘束脈波モニタリングに基づき,「受動疲労」と定義した,路面性状由来の生体疲労を考慮した平坦性の評価方法について検討した.その結果,脈波加速度より得られた,心拍変動の低周波成分(LF)と高周波成分(HF)の比であるLF/HFをモニタリングすることで,時間変化に依存した長期的なメンタルストレスを把握でき,受動疲労の評価につながることがわかった.また,HFは,短期的なストレスと関係し,乗り心地などの快適性評価に有効であることを示した.
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