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2015 年度 実績報告書

新生児ヘルペスにおける抗炎症的治療介入に関する基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 25870028
研究機関旭川医科大学

研究代表者

長森 恒久  旭川医科大学, 医学部, 助教 (40400098)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード新生児ヘルペス / 単純ヘルペスウイルス / アラキドン酸カスケード
研究実績の概要

A)まずアラキドン酸カスケード反応とHSV増幅効率の関係性として,HSV感染細胞にCOX-2阻害作用のあるIndomethacin(:インドメタシン)を培養上清に添加するとdose dependentにウイルス増殖効率が低下した。また,COX下流のプロスタノイドであるProstaglandinE2(PGE2)及びProstaglandinI2アナログであるberaprost(:ベラプロスト)のインドメタシンとの共投与条件では,増幅効率が戻る事がわかった.また,plaque reduction assayでアシクロビルとの共投与でインドメタシンはアシクロビルのIC50を0.23から0.03μg/mlへ減少させた。以上から,『HSVは自身の感染に伴いおこるCOX-2発現とPGE2,PGI2産生を利用して自身の増幅効率を上げ』『COX-2活性を抑制するインドメタシンに抗HSV作用を持つ』事がわかった.
B)次にインドメタシンの抗HSV作用のメカニズムを明らかにするため,増幅効率を律速するimmediate early(HSV-IE)発現量の変化を解析した。5μMのインドメタシン投与では0.1μg/mlのアシクロビル添加に比較しても感染後6時間でのIE発現が低下しており,インドメタシンの抗HSV作用はIE発現抑制を介する事がわかった。またPGI2受容体(IP)は1つのサブタイプ,PGE2受容体(EP)は4つのサブタイプ(EP1,EP2,EP3,EP4)を持つが,HSVによるアラキドン酸カスケードの利用がどのサブタイプを介するか評価した。HSV感染細胞の培養上清中にEP1~EP4のantagonistを添加したところ,EP3とEP4で有意差を持ってHSV増幅効率が低下した。以上から,HSVは自身の感染に伴って増加しautocrine/paracrine的に作用するPGI2からIP,及びPGE2からEP4を介し細胞内cAMPの上昇を何らかの形でその増幅効率増加に利用できる事を明らかにした。

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公開日: 2017-01-06  

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