研究課題
本年度は昨年度開発した、容姿に起因する拒絶過敏性を評価するためのアセスメントツールである日本語短縮版Appearance-based Rejection Sensitivity scale (J-ARS scale)の因子構造、信頼性、および妥当性に関して報告を行うことが第一の目的であった。これらの成果について、日本心理学会第78回大会、日本カウンセリング学会第47回大会、および、6th World Congress on Women's Mental Healthで発表を行った。今年度の第二の目的は、容姿に起因する拒絶過敏性が身体醜形懸念を独自に予測するかについて検討を行うことであった。調査はweb調査によって行われ、520名の男女が日本語版BICI(身体醜形懸念)、J-ARS scale、CES-D(抑うつの測定)、EDI-91の下位尺度(やせ願望、過食、身体不満足感)、日本語版IPCM(拒絶過敏性の測定)FNE(他者からの否定的評価への恐れの測定)、OCI(強迫症状の測定)に回答を行った。サンプリングの際には男女比および年齢比の統制を行った。身体醜形懸念を基準変数とし、性別、抑うつ、やせ願望、過食、身体不満足感、拒絶過敏性、他者からの否定的評価への恐れ、強迫症状をstep1、容姿に起因する拒絶過敏性をstep2とする階層的重回帰分析の結果、決定係数の増加量は有意であり、容姿に起因する拒絶過敏性は身体醜形懸念を有意に予測していた。これは仮説を支持する結果であった。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、初年度の成果報告の実施、および、その成果を通じた研究が順調に進展しているため。
今年度は昨年度の成果について学会での成果報告を行い、更に、初年度の研究結果について論文として投稿することを目指す。
当初の計画より調査に関するコストを低減することが可能となったため。
次年度の論文作成に際する英文校閲費用に充当する予定である。
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Body Image
巻: 13 ページ: 18-21
http://dx.doi.org/10.1016/j.bodyim.2014.09.007
Brain Research
巻: 1542 ページ: 131-137
http://dx.doi.org/10.1016/j.brainres.2013.10.028