高地など低酸素圧環境下では、血中酸素分圧低下に加えて体液ホメオスタシスにも影響が及び、時に重篤な障害を引き起こす。本研究では、持続的低酸素刺激が尿量の変化を伴わない摂水量と摂食量の減少を引き起こし、視床下部-下垂体軸を中心とした体液ホメオスタシス調節に関与するホルモンの分泌や制御に何らかの異常が生じていることを示した。また、低酸素応答性の造血サイトカインであるエリスロポイエチン(EPO)が神経性下垂体においてmRNAレベルで常時発現しており、EPOの作用部位であるEPO受容体も神経内分泌細胞軸索終末や下垂体細胞が存在する洞様毛細血管間の線維性構造部位に発現していることを明らかにした。
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