研究実績の概要 |
平成27年度は,一般家庭において容易に健康管理ができるウェアラブルセンサシステムおよびそれに付随するモニタリングシステムについて,ハードウェアの構築を行った. 平成26年度までの研究成果をもとに,システムに導入する光電容積脈波センサの種類は,緑色LEDとフォトトランジスタの組み合わせを,センサの配置部位に関しては,比較的に安定して信号が取得できる指尖,手首,前腕,上腕の4箇所とした.一方,近赤外LEDについては,平成26年度と同様に参考信号としてのみ取得することとした.なお,これらの光電容積脈波信号は自作のアンプ回路にて増幅を行った. モニタリングシステムとしては,上述の方法で取得したアナログの光電容積脈波信号をAD変換ボード(AI-1608AY-USB, CONTEC社製)を用いてディジタル信号に変換し,ノート型PC(Let's note RZ4, Panasonic社製)に取り込んだ.ここで,データの取得にはMATLAB(Mathworks社)のData Acquisition Toolboxを用いて,1kHzのサンプリング周波数で行った.また,取得したデータは無線LAN経由でデータストレージに送信され,解析用PCからネットワークを介して解析可能なシステムを構築した. 当該システムの構築により,データの取得に関しては,従来の生体信号計測用アンプを用いた大掛かりなシステムから,肩掛けバッグに収まる程度のコンパクトなシステムとなった.また,データの取得および解析にMATLABを利用することで,MATLAB専用のファイルフォーマットによるデータの圧縮が行われ,データ通信量の減少とデータストレージの節約を実現することができた. 今後は,本研究で構築したシステムの有効性についてより詳細に検証を行い,応用性を考慮して研究を行うことが重要であると考えられる.
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