研究課題/領域番号 |
25870048
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 雅信 東北大学, 大学病院, 助教 (00447161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大腸がん発がん / BRAF遺伝子 / microRNA / CIMP |
研究概要 |
本研究では、ある特定のmiRNA群がこのMSI陽性/CIMP陽性/BRAF変異陽性の大腸癌サブグループの発癌において重要な役割を果たしていると仮定し、そのmiRNA群の大腸癌組織における発現解析とさらなる機能解析を行うことにより、このサブグループにおける、新規分子標的治療の開発につながりうる発癌機構のさらなる解明を目的とした。 1. まず、申請者らが保有している大腸癌患者100例の大腸癌組織からDNAを抽出し、KRASやBRAF遺伝子変異の解析、MSI解析、CIMP解析を行った。その結果少なくとも申請者らの保有するコホートでは、当初推定していたのとは異なり、BRAF変異陽性の腫瘍群とMSI陽性腫瘍群が大きく重なり合うわけではないことが判明した。従って、BRAF変異陽性群において発現異常を呈するmiRNA群の同定をまず目指した。 2. 次に、BRAF変異陽性、KRAS/BRAF変異陰性例に対してmiRNAの網羅的発現解析と引き続きリアルタイムRT-PCR解析を行った結果、両群間で発現の異なるmiRNAを数種類選び出した。 3. 現在、その候補miRNAが癌遺伝子、癌抑制遺伝子の機能を有するかどうか調べるために、ヒト大腸がん細胞でoverexpression、knockdownの系を用いて、細胞増殖、アポトーシス誘導、浸潤・転移などに関わる機能解析の実験を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画の中での平成25年度分に関しては、概ね計画通り達成しているため。
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今後の研究の推進方策 |
1. ヒト大腸癌組織のCIMPステータスを解析する。 2. 上記候補miRNAの機能解析に加えて、候補miRNAの発現制御がBRAFを直接介するのかどうかを解明するために、BRAFのoverexpression、knockdownの系を用いてmiRNAの発現変化を調べる。 3. さらに、候補miRNAの標的遺伝子を探索するために、miRNAをヒト大腸癌細胞株にoverexpressionさせて網羅的遺伝子発現・タンパク質発現解析などを行い、新規候補標的遺伝子を同定する。これらがCIMP/BRAF変異陽性の大腸癌サブグループに対する特異的新規分子標的治療につながる知見になりうると期待される。
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次年度の研究費の使用計画 |
CIMP解析の施行予定が次年度に繰り越しとなったため。 平成25年度に購入予定であったCIMP解析用試薬を購入する。さらに、候補miRNAの機能解析にかかる費用が当初の予定より多くかかることが最近の見積もりにより判明し、それに充てる予定である。
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