青森県小川原湖の年縞堆積物における花粉化石データから過去1万年間の気温と降水量を定量的に復元し,数十年~千年規模の気候変動の特徴を明らかにし,その原因や伝播過程を検討した。その結果,1)小川原湖において10~20年精度の花粉化石データを構築した,2)花粉化石データを基に気温と降水量を定量的に復元し,この復元から過去1万年間で10回の寒冷期が存在した,3)気温変動は宇宙線生成核種の変動と一致することから,太陽活動が影響している可能性が高いことが明らかとなった。本研究による過去1万年間の定量的な古気候復元には,数十年~千年規模の気候変動の特徴や伝播過程を明らかにする上で重要な情報になる。
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