本研究では、自己組織化表面微細構造のサイズと幾何的性質がフジツボ付着期幼生の着生に与える影響について調べた。その結果、ハニカム構造上では他構造上に比べ付着期幼生の着生が少なく防汚効果が認められた。一方、ピラー構造やマイクロレンズアレイ構造の場合防汚性は見られず、平滑面と同等の着生数であった。またハニカム構造の孔径が増大するに従って付着期幼生の着生が減少する傾向が見られた。付着期幼生の探索行動を動態追跡による解析を行った結果、ハニカム表面における探索行動の軌跡が他の基板に比べ少ない事が明らかとなり幼生の探索行動を阻害する事が防汚効果に重要である事が示唆された。
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