• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

細胞傷害性T細胞の新規活性制御システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25870063
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

遠藤 章太  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (70466580)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード免疫受容体 / CTL / リソソーム / 膜輸送
研究概要

本研究は、MHCクラスI認識免疫制御受容体PIRと新規リガンド群Nogo/MAG/OMgpによる細胞傷害性T細胞(CTL)制御機構を解明し、がんおよび移植の新規治療法の開発を試みることが目的である。今年度は主にPIR-B欠損およびNogo欠損細胞を用いて細胞内におけるタンパク質動態について解析を行った。その結果、これまで膜表面上で受容体として働くとされてきたPIR-Bが細胞内オルガネラ、特にリソソーム様小胞に機能的に局在しているデータが得られた。これは小胞体タンパク質として知られているNogoとは局在性は違うものの、なんらかの膜輸送に相互的に関わっていることを示しており、リソソームから細胞傷害性物質を放出するCTLの機能として新規な細胞調節システムである可能性が考えられる。
また、PIR-Bのリソソーム様小胞の局在はPIR-Bの緑色蛍光GFP融合タンパク質での解析から、細胞飢餓状態によりGFPの蛍光が消失する現象を見出した。この現象はおそらく中性の前駆リソソーム小胞から酸性の後期リソソーム小胞にPIR-Bが輸送されたことを示しており、外的な細胞刺激によりPIR-Bがダイナミックな膜輸送経路に沿って動き、細胞機能の調節に関わっているものと考えられる。
今後、PIR-BのリガンドであるNogoとの動的相互的なな膜輸送システムを明らかにすることで、新たなCTL活性調節システムの解明につながると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H25年度の研究計画はPIR-BおよびNogo欠損マウスを用いてCTL活性調節における細胞内シグナル等の基礎データを収集することであった。PIR-Bの細胞内での新規なオルガネラ局在性を発見し、Nogoとともに膜輸送システムによって細胞機能の調節をおこなっている可能性を見出したことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

膜輸送システムにPIR-BおよびNogoの新規なCTL調節システムがあるとみているため、膜輸送の可視化がしやすい接着性の細胞をモデルとして解析を進めることで、本研究がより進展すると考えている。さらに、今後PIR-BもしくはNogoを標的とした機能的ペプチド等によるCTL活性制御法を確立するための実験に取り組むことで、最終的な目標である生体内でのCTL活性調節の検討につなげていけるものと考えている。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi