球技においてマグヌス力は,飛翔中のボールを曲げる上で大きな役割を果たしている.真球の場合,ある特定のレイノルズ数において,通常の向きとは逆向きに働く負のマグヌス力の存在が報告されている.球技の中で真球に近いものとして卓球がある.そこで本研究においては,卓球ボールを用いて風洞試験を実施し,卓球ボールにおける負のマグヌス力の発生領域を明確にした.また飛翔試験の結果,風洞試験の結果が再現されず, より速い速度域において負のマグヌス力が発生することがわかった.これは,卓球ボールのような軽い球の場合,空気抵抗による減速が大きく影響するためと思われる.
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